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減収減益のルネサス R&D投資を継続し「本当の競争力を磨く」:米国関税で2Q予想は下方修正(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、2025年12月期第1四半期(1〜3月)の業績(Non-GAAPベース)を発表した。売上高は前年同期比12.2%減の3088億円、営業利益は同297億円減の838億円だった。当期純利益は同326億円減の733億円だった。
研究開発への投資とチャネル在庫削減は継続
自社在庫は前四半期比で減少した。前工程の加工を終えたウエハーを備蓄する「ダイバンク」は今後のスマートフォンやAIサーバ向け需要を見越した補充によって増加したが、完成品在庫は消化が進んだことや為替の影響で減少したという。第2四半期は、短期の需要に対応するために在庫を減らしすぎない方針を維持するという。
チャネル在庫も前四半期比で減少した。特に、産業/インフラ/IoT向けの販売が増加したことで在庫減少が進んだという。第2四半期は自動車向け、産業/インフラ/IoT向けともにチャネル在庫の削減を目指す。ルネサス CFO(最高財務責任者)の新開崇平氏は「今後の不確定要素が大きいので、チャネル在庫が少ない状態を保つ」と説明した。
第1四半期の前工程稼働率は見通しを上回った。第2四半期は同等の稼働率を見込む。
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