ソシオネクストは減収減益、減収の8割超が中国向け:25年度も減益予想(2/3 ページ)
ソシオネクストの2024年度通期(2024年4月〜2025年3月)業績は、売上高が前年度比14.8%減の1885億円、営業利益が同29.6%減の250億円、純利益が同25.0%減の196億円で、減収減益となった。中国の通信機器関連を中心に、中国向けの減少が響いた。
中国景気悪化が響く、NRE売り上げは好調
2024年通期業績を詳しく見ると、製品売り上げは、為替影響(+69億円)があったほか、新規量産品も順調に推移したものの、中国通信機器関係の需要減少と共に、産業分野のFA(ファクトリーオートメーション)関係、事務機向け製品の需要が弱含みだったことなどが影響し、前年度比363億円の減収となった。地域別では中国向けの減収が8割超を占めていて、中国以外の各地向けは微減だったという。
一方、設計開発段階に顧客から対価として受け取る売り上げである「NRE売り上げ(Non-Recurring Engineering)」は、為替影響(+16億円)があったことに加え、北米のデータセンター/ネットワーク分野での新規商談獲得が順調に推移。開発完了案件も重なり、前年度比34億円増となった。営業利益は、NRE売り上げ増加や円安による為替影響はあったものの、製品売り上げ減少による製品粗利減および先端分野での開発や先行投資に伴う研究開発費などの費用増によって、前年度比105億円の減益だった。
なお、2024年度第4四半期(2025年1〜3月)業績は、売上高が前年同期比16.2%減の433億円、営業利益は同42.6%減の43億円となった。製品売り上げは新規量産品などが順調に推移したものの、中国通信機器関係の需要減少などから同93億円減。NRE売り上げは新規商談獲得が順調に推移したことおよび開発完了案件が重なったことで同9億円増で着地した。
2024年度の設備投資は主にIP(Intellectual Property)投資の減少から、前年度比70億円減の約160億円となった。ただ同社のIP投資は年度を通じてみると成長に伴って増加傾向にある。IP投資は個別プロジェクトごとにソシオネクストでの調達以外に顧客調達となる場合があることや、必要となるIP構成が異なることから、今回の減少は「たまたま開発のトレンドによる影響だ」と説明していた。また、大規模な先端開発のための開発環境整備としてのIT投資も増加。これらの投資増を反映し、償却費も増加している。
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