HDD大手Seagateの業績、前年同期比では売上高が3割増、利益が3倍増に:福田昭のストレージ通信(276)(1/2 ページ)
今回は、米Seagate Technologyの2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)の業績を報告する。
前期同期比の売上高は4四半期連続で増加
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2025年4月29日、WDが同年4月30日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。4月29日に同社が発表したのは2025年1月〜3月期の四半期業績であり、会計年度表記では「2025会計年度第3四半期(Q3FY25)」となる。
2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)の売上高は、前四半期(前期)比7.1%減、前年同期比30.5%増の21億6000万米ドルである。6四半期ぶりに前期比で減少した。前年同期比は4四半期連続の増加となった。
クラウド向けニアラインHDDの需要が引き続いて強く、全体をけん引した。前年同期比の総出荷記憶容量は55%増、容量は120EB(エクサバイト:1018バイト)である。ただし供給能力の一時的な低下によってニアラインHDDの総出荷記憶容量は前四半期比(前期比)で5%ほど減少した。クラウドサービスプロバイダーとエンタープライズ、OEMの顧客によるニアラインHDDへの需要が強く、大容量HDD製品の販売は基本的に好調である。
営業利益にはNon-GAAPベースとGAAPベースがある。Non-GAAPベースの営業利益は5億700万米ドル、GAAPベースの営業利益は4億3100万米ドルとなった。前四半期(前期)比ではそれぞれ5.8%減、11.7%減と減収減益である。前年同期比ではそれぞれ2.77倍、3.01倍になった。
粗利益率はNon-GAAPベースが36.2%、GAAPベースが35.2%となった。前四半期(前期)からはそれぞれ0.7ポイント増、0.3ポイント増である。前期比では減収にもかかわらず、粗利益率は増加した。売上高営業利益率はNon-GAAPベースが23.5%、GAAPベースが20.0%である。前期比ではそれぞれ0.4ポイント増、1.0ポイント減となった。増減はあるものの、売上高営業利益率が20%というのはかなり健全な成績だといえる。
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