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HDD大手Seagateの業績、前年同期比では売上高が3割増、利益が3倍増に福田昭のストレージ通信(276)(2/2 ページ)

今回は、米Seagate Technologyの2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)の業績を報告する。

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HDD販売額の9割を占める「大容量品」が前年同期比で48%と伸びる

 Seagateは製品別の収支を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」に大別している。売り上げのほとんどを占めるのは「HDD製品」である。「HDD製品」は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つに分けている。

 「大容量品(マスキャパシティ品)」には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。「既存品(レガシー品)」には、ミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどの製品がある。

 これらの定義に基づき、発表資料では売り上げと総出荷記憶容量、平均記憶容量を四半期ごとにまとめていた。

Seagate Technologyの四半期業績の推移(2024会計年度第3四半期(Q3FY24)〜2025会計年度第3四半期(Q3FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology
Seagate Technologyの四半期業績の推移(2024会計年度第3四半期(Q3FY24)〜2025会計年度第3四半期(Q3FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

 2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)における「HDD製品」の売上高は前期比8%減、前年同期比36%増の20億300万米ドルである。売上高全体の92.7%をHDD製品が占める。

 HDD製品の内訳は「大容量品(マスキャパシティ品)」が前期比8%減、前年同期比48%増の17億4900万米ドルである。HDD製品の売上高に占める「大容量品」の割合は87%で前期と変わらない。

 「既存品(レガシー品)」の売上高は前期比8%減、前年同期比15%減の2億5400万米ドルである。「既存品」の売上高は減少傾向が続く。

 「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」の売上高は前期比1%増、前年同期比11%減の1億5700万米ドルとなった。

製品別の売上高と総出荷記憶容量、平均記憶容量(ドライブ1台当たりの記憶容量)の推移(2024会計年度第3四半期(Q3FY24)〜2025会計年度第3四半期(Q3FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology
製品別の売上高と総出荷記憶容量、平均記憶容量(ドライブ1台当たりの記憶容量)の推移(2024会計年度第3四半期(Q3FY24)〜2025会計年度第3四半期(Q3FY25))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

出荷容量では「大容量品(マスキャパシティ品)」がHDD全体の92%を占める

 HDD製品の総出荷記憶容量は、全体が前期比5%減、前年同期比45%増の143.6EB(エクサバイト)である。「大容量品(マスキャパシティ品)」は前期比5%減、前年同期比50%増の132.9EBとなった。HDD全体の92.5%を占める。「大容量品」の大半を占める「ニアラインHDD」は前期比5%減、前年同期比55%増の119.7EBである。「既存品(レガシー品)」は前期比で変わらず、前年同期比1%増の10.7EBとなった。

 ドライブ1台当たりの平均記憶容量は、HDD全体が前期比8%増、前年同期比44%増の12.6TB(テラバイト:1012バイト)である。大容量品(マスキャパシティ品)が前期比8%増、前年同期比30%増の16.2TBと容量を伸ばした。既存品(レガシー品)の平均記憶容量は前期比12%増、前年同期比34%増の3.3TBである。

(次回に続く)

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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