赤字拡大のJDI、国内1500人削減へ CEOのキャロン氏は辞任:主力の車載事業切り離しも発表(1/2 ページ)
ジャパンディスプレイ(JDI)の2024年度通期業績は、売上高は前年比21%減の1880億円、営業損失は同29億円拡大し371億円の赤字、当期純損失は同339億円拡大し782億円の赤字だった。国内で1500人規模の人員削減を行うという。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2025年5月15日、2024年度通期の業績を発表した。売上高は前年比21%減の1880億円、営業損失は同29億円拡大し371億円だった。当期純損失は同339億円拡大し782億円の赤字だった。
売上高は、コア事業(車載、スマートウォッチなど)は顧客需要の軟化によって前年比13%減、ノンコア事業(液晶スマートフォン)は戦略的縮小によって同74%減となった。製品ミックス改善や固定費削減によって利益改善を図ったものの、売上高減少の影響が大きかったという。
1500人規模の人員削減を発表
国内外で人員削減を行うことも発表した。2025年6〜8月に国内で1500人程度の希望退職を募る。これは、国内外の従業員(約4100人)の約3分の1、国内従業員(約2600人)の約半数に相当する規模だ。また海外子会社でも、各国の労働法に準じ、国内と同様に各子会社の人員を削減して適正化する方針だ。2026年3月に予定している茂原工場(千葉県茂原市)の生産終了による事業規模縮小も踏まえ、コスト構造の改善を目指すもので、年間約135億円の人件費削減効果を見込む。
JDIがコア事業と定め、同社の売り上げ全体の6割強を占める車載事業を2025年10月1日付で新会社「AutoTech」として子会社化するとも発表。独立した経営判断と迅速な意思決定を行い、外部からの資金調達や他社との協業の可能性も広げる考えだ。
2025年度の業績予想は現時点では非公表とした。上記のような財務状況改善に向けた経営施策の実現時期や具体的内容によって、業績が大きく変動することが予想されるためだ。
CEOのスコット・キャロン氏は辞任へ
同日に開催した決算説明会に登壇したJDI 会長兼CEOのスコット・キャロン氏は「まずはおわびを申し上げたい。株主、取引先、従業員の皆さまに多大なるご迷惑をおかけした」と頭を下げた。さらに「業績不振の責任は重い。私の経営能力が足りないことは明らかだ」として、2025年6月1日付で会長兼CEOを辞任することを明らかにした。
現在JDIで生産・品質本部調達統括部 統括部長を務める明間純氏が後任として社長兼CEOに就任する。明間氏は「今期の決算発表と人員削減を重く受け止めている。私の使命は一刻も早い黒字化実現だ。新しい経営陣で、全ての従業員と共に全身全霊で取り組んでいく」と強調した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.