新生Sandiskが発表した初めての四半期決算、前期比で減収減益に:福田昭のストレージ通信(278)(1/2 ページ)
2025年2月、Western DigitalのNANDフラッシュ事業を分割して設立された「Sandisk Corp.」が、米国ナスダック市場に上場した。今回は、上場後初となるSandiskの四半期決算(2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期))を紹介する。
2月21日にNANDフラッシュ事業会社「Sandisk」が発足
本コラムの前回で述べたように、HDD大手兼NANDフラッシュ大手のWestern Digital(以降は「WD」と表記)は2025年2月21日にNANDフラッシュ事業を分割し、同年2月24日にNANDフラッシュ事業会社が「Sandisk Corp.」の社名で米国ナスダック市場に上場した。事業分割後には初めての四半期決算(2025年1月〜3月期)をWD(新生WD)が2025年4月30日、Sandisk(新生Sandisk)が同年5月7日に発表した。
以降はSandiskが発表した四半期決算の概要を説明しよう。Sandiskの会計年度はWDと同様に7月から始まり、翌年6月を期末とする。2025年1月〜3月期は、会計年度表記では「2025会計年度第3四半期(Q3FY25)」となる。上記のように企業分割があったため、同期の業績は旧WDのNANDフラッシュ事業と比較した内容となった。
2025年1月〜3月期(2025会計年度第3四半期)の売上高は前期(前四半期)比10%減、前年同期比1%減の16億9500万米ドルである。いずれもあまり良いとは言えない。
粗利益率はGAAPベースが22.5%、non-GAAPベースが22.7%と高くない。前期比ではGAAPベースとnon-GAAPベースがいずれも9.8ポイント減、前年同期比ではGAAPベースとnon-GAAPベースがいずれも4.7ポイント減となった。
2025年1月〜3月期(2025会計年度第3四半期)の営業損益はGAAPベースが赤字で18億8100万米ドルの損失、non-GAAPベースはほぼ収支均衡で200万米ドルの黒字である。前期はいずれも黒字で営業利益はGAAPベースが1億9500万米ドル、non-GAAPベースが2億3300万米ドルだった。今期は、会社分割に伴う支出が経費を押し上げた。
2025年1月〜3月期(2025会計年度第3四半期)のビット換算出荷数量は前期比で2〜3%(low-single digits)減、記憶容量当たりの平均価格は前期比で7〜8%(high-single digits)減となった。
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