新興メモリの普及、狙いはNORフラッシュの置き換え:車載用MRAMやReRAMが次々登場(1/3 ページ)
磁気抵抗メモリ(MRAM)/抵抗変化型メモリ(ReRAM)などの新興メモリは、宇宙や防衛など、特殊な用途だけでなく、車載などでも採用できる準備が整ってきた。
磁気抵抗メモリ(MRAM)メーカーであるEverspin Technologies(以下、Everspin)は最近、車載信頼性規格「AEC-Q100」に準拠した新しいMRAM製品を発表した。一方でWeebit Nanoは、同社の抵抗変化型メモリ(ReRAM)モジュールが、AEC-Q100規格の150℃の動作評価を完了したと発表した。
AEC(Automotive Electronics Council)によって策定された規格であるAEC-Q100は、車載用エレクトロニクス製品のための共通の部品認定規格および品質システム規格を定めており、IC向けの一連の認定試験順序なども含まれている。
Everspinの最新の高信頼性ディスクリートMRAM製品は、同社の製品ファミリー「PERSYST EMxxLX」を「EM064LX HR」/「EM128LX HR」で拡充したものだという。動作温度は−40℃〜125℃で、車載アプリケーション向けとして最適なだけでなく、航空宇宙/防衛分野や過酷な産業環境における、永続的な高速メモリに対する需要の高まりにも対応することが可能だ。
同社のマーケティング部門担当シニアディレクターであるJoe O’Hare氏は、米国EE Timesとのブリーフィングで「MRAM需要をけん引する要素としては、極端な温度に耐え得る高信頼性のメモリコンポーネントを必要とする車載アプリケーションの他に、放射線耐性を備えるなど、過酷な動作環境に耐えられるメモリを必要とする低軌道衛星(LEO:Low Earth Orbit satellite)の開発が急速に進んでいることなども挙げられる」と述べる。
O’Hare氏は「Everspinの『PERSYST MRAM』は、その優れた耐性性と信頼性により、20年間にわたって重要なストレージアプリケーションで採用されてきたという実績を持つ。その温度範囲で利用可能なMRAMの中では最速であり、容量は64Mb/128Mbと、ミッションクリティカルなシステムに理想的だ。われわれは、約15年間にわたってAEC-Q100対応メモリを生産しており、追加したPERSYST MRAMは当社製品の中でも最高密度を実現する」と述べている。
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