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新興メモリの普及、狙いはNORフラッシュの置き換え車載用MRAMやReRAMが次々登場(2/3 ページ)

磁気抵抗メモリ(MRAM)/抵抗変化型メモリ(ReRAM)などの新興メモリは、宇宙や防衛など、特殊な用途だけでなく、車載などでも採用できる準備が整ってきた。

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NORフラッシュの代替で車載分野を狙う

 またO'Hare氏は「MRAMが既存メモリの中で最も置き換える可能性が高いのは、NOR型フラッシュメモリだ。NORフラッシュは現在、スケーリングや高密度化を実現する上での壁にぶつかっている。MRAMは書き込み速度が高いため、リアルタイムアプリケーションのシステムオーバーヘッドを低減でき、アーキテクチャも簡素化されている」と説明する。

 「AEC-Q100は車載用規格だが、Everspinは宇宙探索アプリケーションに注力しており、最新のPERSYST MRAM製品の仕様をけん引したのは、この分野の顧客企業である。同分野におけるわれわれの取り組みのレベルは、正直なところ自動車分野よりも高い」(O’Hare氏)。「市場は峠を越え、ボリュームの観点から見ても十分ビジネスになる市場規模になってきた。さらに、他にも航空宇宙/軍事アプリケーションなどがある」と付け加えた。

 一方Weebit Nanoは、NORフラッシュの代替としての組み込みReRAMで自動車分野をターゲットとする。同社は最近、半導体メーカーSkyWater Technologyの130nm CMOSプロセスを適用したReRAMモジュールで、AEC-Q100の150℃動作評価を達成したという。

 Weebit Nanoのマーケティング/ビジネス開発部門担当バイスプレジデントであるEran Briman氏は、EE Timesとのブリーフィングで「JEDECは、異なる温度/耐性レベルの不揮発性メモリに向けた標準規格一式を定めているが、自動車向けとしてはAEC-Q100がゴールドスタンダード(絶対的基準)となる。Weebit Nanoは、自動車環境の全てに対応するReRAM製品のための“ミッションプロファイル”を開発した」と述べる。

 Briman氏は「AEC-Q100認証の背景には、自動車メーカーが必要とするプロセスノードが、28nm〜16nmの範囲内で、IoTや他のコネクテッドデバイスの場合よりもずっと迅速に進んでいるということがある。車載用マイコン向けの導入が迅速化しているのだ。28nm以降になると、フラッシュメモリの代替はもはや存在しない」と述べている。

 またBriman氏は「組み込み不揮発性メモリで対応可能な市場は数多く存在するが、車載向けのプロセスノードの要件は、現在のところ特に明確化されている。車載要件に準拠するということは、不揮発性メモリが消費者/産業/IoT向けアプリケーションのニーズにも合致するということを意味する」と付け加えた。

 「車載用ReRAMのチャンスをもたらしているのは、定期的なOTA(Over-The-Air)での更新を必要とするソフトウェア定義された自動車だ。これは『膨大な処理能力を備える、タイヤのついたPC』である。このような定期的な更新には、より高い耐性を備えた不揮発性メモリが必要だ」(Briman氏)

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