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M3 Ulra搭載「Mac Studio」を分解 M3 Maxとはどう違う?この10年で起こったこと、次の10年で起こること(92)(1/3 ページ)

今回は2025年3月に発売された「Mac Studio」を分解する。「M3 Ultra」というハイスペックのプロセッサを搭載したモデルだ。ここでもAppleの高い開発力が見えてくる。

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 Appleは2025年3月、ハイエンドコンピュータ「Mac Studio」を発売した。トップモデルは「M3 Ultra」という新規のプロセッサに512GBのUnified Memoryを組み合わせるという仕様になっている。Appleは2024年11月に「MacBook Pro」で、「M4 Pro」「M4 Max」搭載モデルを発売しており、「M3 Max」をベースとしたM3 Ultraは、1世代前のプロセッサをベースにしたものとなっている。

 M3 Maxが最初にリリースされたのは2023年11月で、当時最上位のMacBook Proに採用されている。テカナリエではM4 Max、M3 Maxともに発売時に入手し、チップ開封、配線層剥離を経てチップ内部の詳細を既に解析済みだ。M3 MaxもM4 Maxも2つの同じシリコンを並べてチップ間を接続するためのインタフェース(Appleのいう「Ultra Fusion」)は持っていない。Appleから、M1 Ultra、M2 Ultraでは2つのシリコンを並べるためのインタフェースを持ったM1 Max、M2 Maxのチップ写真が公開されていた。しかし2023年発売当時、公開された(ネット上にたくさん画像がある)M3 Maxには、チップ同士を接続するためのインタフェース、Ultra Fusionが存在しないものとなっていた。入手したM3 Maxの実シリコンも、上記のように、インタフェースが存在していなかった。512GBのUnified Memoryにも言及したいが、今回はM3 MaxとM3 Ultraの関係について報告したい。

 図1は2025年3月に発売されたApple最上位のコンピュータMac Studio M3 Ultra版の様子である。一番大きな進化は内部のプロセッサ、メモリだが、外部インタフェースも大きな進化を遂げている。前モデルまでは、Thunderbolt 4であった6基の端子が、いずれもThunderbolt 5に変更された。Appleは2024年11月のMacBook Proから、Thunderbolt 5を採用しており、Mac Studioも変更されたわけだ。内部のRE-TimerチップもApple製となっている。内部は図1右のように、筐体下部のカバーを取り外すと電源基板、その下にプロセッサ基板、空冷ファンおよびヒートシンクとなっている。いずれも黒塗りの手の込んだものだ。

図1:2025年3月発売の「Apple Mac Studio」
図1:2025年3月発売の「Apple Mac Studio」[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 表1は2023年のM2 Ultra版のMac Studioと2025年のM3 Ultra版のMac Studioの比較である。筐体のサイズ、端子位置などは同じまま内部が進化しているが、空冷装置やSSDはほぼ同じものが採用されている。電源基板はサイズ、端子は同じだが搭載されるチップやコンポーネントは大幅に入れ替わっている。入れ替わった多くは最新チップが採用されている。

表1:2023年と2025年に発売されたMac Studioの比較
表1:2023年と2025年に発売されたMac Studioの比較[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

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