ニュース
5G-Advanced基地局用GaN増幅器モジュールを開発、三菱電機:小型モジュールで設置性も向上
三菱電機、5G-Advanced基地局用の7GHz帯GaN(窒化ガリウム)増幅器モジュールを開発、通信信号を用いて性能実証にも成功した。
5G-Advanced用の通信信号を使い性能実証にも成功
三菱電機は2025年6月、5G-Advanced基地局用の7GHz帯GaN(窒化ガリウム)増幅器モジュールを開発、通信信号を用いて性能実証にも成功したと発表した。
5Gの発展版となる5G-Advancedは、「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」を特長とし、2025年より段階的に導入が始まる。現行の4G/5Gで用いられている周波数帯に比べ、5G-Advancedは高い周波数帯(6.425G〜7.125GHz)を用いる。このため、配置する各アンテナの間隔が狭くなり、各アンテナと対で実装される増幅器モジュールの配置間隔も狭くなる。
そこで今回は、GaNトランジスタの寄生成分を整合回路の一部として利用する独自技術と、高い性能を備えたGaNトランジスタを採用し、電力効率が41%と極めて高い7GHz帯GaN増幅器モジュールを開発した。試作品の外形寸法は12.0×8.0mmと小型で、高密度実装が可能である。
開発したGaN増幅器モジュールの主な仕様は、周波数が6.8〜7.1GHz、電力効率41%/電力付加効率35%、出力電力は37dBm、電力利得は25dB、ACLR(隣接チャネル漏洩電力比)は−50dBcとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
SiC搭載の新型IPMを開発、エアコンの電力消費を大幅削減
三菱電機は、エアコンなどの電力消費を大幅に削減できる「インテリジェントパワーモジュール(IPM)」を新たに開発し、サンプル出荷を始めると発表した。3.6G〜4.0GHz帯対応GaN電力増幅器モジュール 三菱電機
三菱電機は、3.6G〜4.0GHz帯で動作する平均出力電力16Wの5G基地局用GaN電力増幅器モジュール「MGFS52G40MB」を開発、サンプル出荷を始めた。5G Massive MIMO基地局用装置の製造コスト削減や電力消費の低減が可能となる。そよ風や弱い水流でも発電 電磁誘導発電モジュールを開発
三菱電機は、そよ風や人のわずかな動きなどでも効率よく発電する「電磁誘導発電モジュール」を開発した。IoTセンサー向け電源として実証実験を進め、2027年度までに実用化を目指す。新手法で磁気結合回路を等価な電気回路に変換
電気通信大学と三菱電機は、磁気結合回路を等価な電気回路に変換する手法を共同開発した。磁気結合回路をグラフネットワークとして表現できれば、グラフニューラルネットワーク(GNN)を活用し、回路の寿命予測や自動設計などの精度向上が可能となる。パワー半導体の劣化を推定 欧州プロジェクトに三菱電機が参画
三菱電機は、欧州現地法人を通じて欧州「FLAGCHIP」プロジェクトに参画した。同プロジェクトでは、新たに開発する試験機を用い、パワー半導体モジュールに実装された半導体チップの温度を正確に推定する技術を実証していく。先端SiC技術やxEV用パワー半導体など紹介 三菱電機
三菱電機は、エレクトロニクス製造の国際展示会「SEMICON Japan 2024」に出展し、パワー半導体の事業戦略、先端のSiCパワー半導体技術、今後市場拡大が期待されるxEV用パワー半導体などを紹介する予定だ。