センサーで微細プロセス、ロジックも12nm導入へ ソニーのイメージセンサー戦略:限界を超えた性能向上へ(1/2 ページ)
ソニーセミコンダクタソリューションズがオンラインで合同インタビューに応じ、今後導入を計画する先端プロセスについて、センサーで新開発の微細プロセスを採用するほか、ロジックで12nmプロセスも導入するといった詳細を明かした。
ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)は2025年6月19日、オンラインで合同インタビューに応じ、今後導入を計画する先端プロセスにおいて、センサーで新開発の微細プロセスを採用するほか、ロジックで12nmプロセスも導入する予定だと明かした。これらを組み合わせることで従来技術の限界を超えた特性向上を実現し、市場での優位性強化を図る。なお、量産導入の時期に関しては「具体的な時期は控える」としている。
合同インタビューは、2025年6月13日に動画を公開した、イメージング&センシングソリューション分野(I&SS)の事業戦略説明のフォローアップとして実施。同社社長の指田慎二氏と最高財務責任者(CFO)である高野康浩氏および、最高技術責任者(CTO)の大池祐輔氏が記者の質問に答えた。
13日の動画では、モバイル向けイメージセンサー市場では今後「動画性能」が重要となるとしたうえで、それに向けた特性進化のため「高密度化」を進めていく方針を説明。新たに先端プロセスを導入する「平面方向の高密度化」と、多層化による「垂直方向の高密度化」を進めることで、求められる主要な5つの特性(下図)をさらに向上するとしていた。今回、SSSはこの先端プロセス導入に関する詳細を語った。
センサー前工程は、28n〜22nmをカバーする装置群で
SSSは、先端プロセス導入について、センサー前工程とロジックの両面で進める方針だ。
大池氏はまず、センサーの前工程について「単純に微細加工技術がセンサーの特性を一意に決めることができないのが、イメージセンサーの特徴だ」と言及した。
これまで同社は40nmプロセス世代を用いつつセンサーの特性を引き上げていて、大池氏は「現状それが競争力を持っている。イメージセンサー固有の技術が加工技術と組み合わさってイメージセンサーの五角形の特性を広げている」と説明。一方で動画のニーズが高まっていく中、その特性向上が限界に近づいてきているといい「(その限界を)もう一段押し上げるため、半導体の製造加工精度をもう一段上げる」と語った。
大池氏は、この新プロセスによって画素ピッチなどだけでなく「例えば、最も求められている暗時の特性向上などでも、高密度化のアプローチが効果を発揮する」と説明。「ダイナミックレンジ、フレームレート、動画などに全て効いてくる。われわれの培ってきたイメージセンサー技術と、ベースとなる加工技術を一段上げることで、特性の五角形をバランスよく広げていく。5つの特性に対してどれを優先的にどこから伸ばしていくかは微細画素のみならず、さまざまな画素サイズで求められる最も鍵となる特性から寄与させていく」と語っていた。
具体的なプロセスノードについては「センサーに関しては一般的に表現されているプロセスノードで表現するのは非常に難しい」としつつ、「加工技術の装置群という意味では28nmから22nm程度をカバーするような装置群でセンサーの前工程の価値を上げていく」と明かした。
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