シャープ亀山工場に後工程自働化の検証ライン構築、SATAS:2027年度中にも稼働予定
半導体後工程自働化・標準化技術研究組合(SATAS)は、後工程自働化の研究開発を行うパイロットラインサイトとして「シャープ亀山工場」(三重県亀山市)を正式に選択し、工場内の環境整備を始めた。パイロットラインは2027年度中に稼働予定。
業界標準インタフェースの仕様作成と対応する製造装置の開発を加速
半導体後工程自働化・標準化技術研究組合(SATAS)は2025年6月、後工程自働化の研究開発を行うパイロットラインサイトとして「シャープ亀山工場」(三重県亀山市)を正式に選択し、工場内の環境整備を始めた。パイロットラインは2027年度中に稼働予定。
SATASは、半導体メーカーや半導体製造装置/自動搬送装置メーカーおよび、標準化団体など半導体業界を代表する企業や団体が組合員となり、2024年5月7日付けで設立された。後工程の完全自働化に必要となる技術の開発や、オープンな業界標準仕様の作成、装置の開発と実装、統合されたパイロットラインにおける装置の動作検証などを行うことにしている。
SATASは現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発/半導体後工程自働化・標準化の開発・実証に関する研究開発」に取り組んでいる。この一環として、パイロットラインの構築に必要な環境が整っているシャープ亀山工場の建屋や施設、設備などを活用し、後工程完全自動化ラインを構築することにした。
具体的には、後工程の完全自動化に必要となる各製造装置間における物理的・理論的な業界標準インタフェース仕様を作成する。この仕様に基づく製造装置の開発と実装および、単体試験を行う。さらに、各製造装置を統合したパイロットラインで結合試験や動作試験を実施し、パイロットライン全体としてエネルギー生産性改善に役立つ研究開発を行う計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エレクトロニクス産業は「日本に追い風」 業界全体で底上げ目指す段階に
2024年に過去最高の市場規模を記録した世界半導体市場。ただし、半導体分野を取り巻く状況は世界経済と国際情勢の両面で不安定であり、先行きを見通しにくくなっている。そうした中、Omdia シニアコンサルティングディレクターの南川明氏は、日本の半導体/エレクトロニクス産業には追い風が吹いていると語る。半導体後工程の専門展「SEMISOL」初開催へ 来場1万人見込む
半導体後工程に関わる技術やソリューションの専門展「SEMISOL 2025」が、2025年6月18〜20日に開催される。SEMISOLは今回が初開催。SEMISOL開催の経緯や見どころについて聞いた。半導体後工程の自動化を推進、インテルやオムロンらが「SATAS」を設立
半導体メーカーや半導体製造装置/自動搬送装置メーカーおよび標準化団体など15の企業・団体は、2024年4月16日付で「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS)を設立した。2028年の実用化を目指し、半導体後工程の完全自動化や標準化に取り組む。フォトダイオードをSiC上に接合、高出力テラヘルツデバイスを実現
OKIとNTTイノベーティブデバイスは共同で、異種材料接合によって高出力テラヘルツデバイスを高い歩留まりで量産できる技術を確立した。この技術を用い、6Gや非破壊センシングに用いられるテラヘルツデバイスの量産を2026年より始める。JDIの液晶の知見、先端半導体パッケージングの中核技術に
ジャパンディスプレイ(JDI)は「JPCA Show 2025」に台湾を拠点に先端半導体パッケージングやセンサーを手掛けるPanelSemiと共同で出展し、セラミック基板上に高精細RDL(再配線層)配線を形成したサンプルを展示した。半導体ガラス基板にレーザー加工で微細穴 アスペクト比は20
東京大学は、次世代半導体向けガラス基板に対し、極めて微細な穴あけを高いアスペクト比で実現できる「レーザー加工技術」を開発した。ガラス基板はAGC製の「EN-A1」を用いた。