300mmファブ生産能力、2nmは2028年に月産50万枚へ:全体では月産1110万枚に成長
SEMIは、最新の300mm Fab Outlookレポートに基づき、前工程半導体ファブの生産能力を発表した。生成AIによる需要増などから、生産能力は2024年末より拡大を続け、2028年には月産1110万ウエハーに達すると予測した。
2nm以下のウエハーファブ装置を軸に設備投資額も急増
SEMIは2025年6月25日(米国時間)、最新の「300mm Fab Outlookレポート」に基づき、前工程半導体ファブの生産能力を発表した。これによると、生成AIによる需要増などから、生産能力は2024年末より年平均成長率7%で拡大を続け、2028年には月産1110万ウエハーに達すると予測した。
中でも、生産能力の拡大をけん引するのは7nm以下の先進プロセスである。この生産能力は2025年から2028年にかけて、年平均成長率14%を維持すると予測した。2024年に月産85万ウエハーであった生産能力は、2025年に月産98万2000ウエハー、2026年に月産116万ウエハーとなり、2028年には月産140万ウエハーに達すると予測した。
さらに活発な拡大を予想しているのが2nm以下のプロセス生産能力である。2025年に月産20万ウエハー未満であったのが、2028年には月産50万ウエハーを超える規模に達する見通しである。
なお、先進プロセス装置に対する設備投資も旺盛で、その規模は2024年の260億米ドルに対して、2028年は500億米ドルを超えると予測した。特に、2nm以下のウエハーファブ装置に対する投資額が拡大。2024年の190億米ドルから2028年には430億米ドルへ倍増するとみている。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「AIは世界の半導体業界に変革を起こしており、先進的半導体生産能力の目覚ましい拡大をけん引している」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
世界半導体市場は12カ月連続で成長、前月比では米州と日本が減少
米国半導体工業会によると、2025年4月の世界半導体売上高は前年同月比22.7%増の570億米ドルになった。前年同月比では12カ月連続のプラス成長で、前月比でも、2025年に入って初の増加となった。半導体製造装置販売額、25年1Qは前年同期比21%増
2025年第1四半期(1〜3月)における半導体製造装置(新品)の世界総販売額は、前年同期比21%増の320億5000万米ドルとなった。前期比だと5%の減少となるが、SEMIによれば「この動きは通常の季節変動」という。24年のスマホ用CIS出荷台数、首位はソニーで2位&3位に中国勢
市場調査会社Counterpoint Researchによると2024年の世界スマートフォン用CMOSイメージセンサー(CIS)の出荷台数は前年比2%増の44億台に増加。ソニーが首位を維持し、2位がGalaxyCore、3位がOmniVisionと中国勢が続く形になったという。関税の影響で半導体市場変動パターンが変化する可能性 SEMI予測
SEMIは2025年5月、世界半導体製造産業の2025年第1四半期実績と今後の見通しについて発表した。2025年第1四半期は通常の季節性変動パターンで始まった。しかし今後は、「関税の不確実性により複数の業界で変則的な季節変動が生じる可能性がある」との見方を示した。半導体市場は本当に「堅調」なのか
世界半導体市場は堅調に推移している。だがそれは特定の分野や企業の成長に大きく偏っている。特に、米国による関税政策で不確実性が増加していて、各社は成長予測に慎重になっている。現役エンジニアが教材開発 「SEMI University日本語版」開設
SEMIは、半導体の人材育成を目的とした半導体特化型eラーニングプラットフォーム「SEMI University(日本語版)」を開設し、販売を始めた。日本のユーザーに合わせたオリジナル教材を用意しており、新入社員の導入教育にも適した構成となっている。