AvnetグループのFarnellが日本に本格参入 「匠の国に寄り添う」:Farnellプレジデント Rebeca Obregon氏(1/2 ページ)
AvnetグループのFarnellが日本でのビジネス展開を本格化させている。エレクトロニクス商社としてのFarnellの強みや、なぜ今、日本市場への本格参入を決断したのかを、FarnellプレジデントのRebeca Obregon氏に聞いた。
エレクトロニクス商社のFarnellは2024年、日本市場への本格参入を表明した。同社は2016年10月以降、Avnetのグループ会社となっていて、欧州ではFarnell、北米ではNewark、アジア太平洋地域ではelement14のブランドで事業を展開している。日本では2024年4月にファーネルジャパンを設立し、同年10月から本格的に日本でのビジネス展開を開始した。Farnellは数年前から日本市場への参入を計画していたという。なぜ今、日本でのビジネスを強化するのか。2024年6月にFarnellのプレジデントに就任したRebeca Obregon氏に聞いた。
地域に“共鳴”した戦略
――Avnetのグループ企業としてのFarnellの立ち位置について教えてください。
Rebeca Obregon氏 FarnellにとってAvnetの一員であることは、グローバルにイノベーションを起こす能力を増幅させる戦略的な利点だと考えている。われわれは高いアジリティと膨大な製品ポートフォリオ、顧客サービスを提供し、Avnetはグローバルなリーチと堅ろうなサプライチェーン機能を提供する。この相乗効果によって、われわれは顧客の期待以上のことに応えられる。
――エレクトロニクス商社としてのFarnellの強みは何でしょうか。
Obregon氏 顧客へのコミットメントだ。Farnellはグローバルに展開している企業だが、地域のニーズに対して深く理解している。そのため、各地域の微妙なニュアンスに共鳴するように戦略を調整している。このアプローチは世界中のエンジニアに寄り添うためにも必要だ。
さらに、エンジニアが集まるプラットフォーム「element14 Community」を通じて、イノベーターたちのグローバルなコミュニティー構築を強化している。element14 Communityでは、80万人以上のエンジニアがアイデアを交換して課題の解決に挑んでいる。
当社の最先端のeコマースプラットフォームでは、2000以上の信頼できるサプライヤーから95万以上の製品にアクセスできる。エンジニアは必要なものを簡単かつ直感的に検索して比較し、注文できる。さらに、われわれは世界中に12の倉庫を持ち、強力な物流ネットワークを構築しているので、製品を迅速かつ確実に届けられる。これも強みの1つだろう。
――Farnellのグローバル戦略について教えてください。
Obregon氏 われわれは、市場、エンジニア、そしてプロジェクトの一つ一つがユニークであることを認識している。欧米やアジアといったイノベーションのハブが確立されている地域から、あらゆる可能性がある新興市場まで、地域ごとに異なる課題と機会を理解することに重点を置いている。当社のグローバルなネットワークの強みを生かしつつ、地域ごとにソリューションを調整し、エンジニアをサポートすることを目指している。
そのために、eコマースプラットフォームの使い勝手を向上させて、95万点以上の製品に、より簡単にアクセスできるようにするなど、デジタル機能と拠点に、継続的に投資していく。
ただ、製品や物流というカテゴリーを超えてわれわれの戦略を支えているのは、価値の創造やコラボレーションの促進に対する情熱だ。毎月何千点もの新製品を追加したり、活気に満ちたelement14コミュニティーを育成したり、持続可能性への取り組みを支援したりといった取り組みは、世界中のエンジニアをサポートして結び付けるという、当社の目標につながるものだ。
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