検索
ニュース

AIサーバラックへの電力供給は1台当たり1MW超に 高効率化で備えるInfineonSiC/GaNも活用(2/3 ページ)

AIの需要増加で、ネットワーク上のデータ量は急速に増加している。2010年から2025年の15年間で、データ量は145倍になる見込みだ。チップ性能の向上で、計算量も指数関数的に増加していて、シングルプロセッサの電力需要は3〜4カ月ごとに倍増している。これに伴い、AIデータセンターによる送電網への負担、コスト、堅牢性/信頼性が重要な課題となっている。これに対しInfineon Technologiesは、AIデータセンター向けの電力供給システムの開発を進めている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

Si/SiC/GaNの最適な組み合わせで性能向上

インフィニオン C3事業本部 テクニカルマーケティング部 シニアディレクター 浦川辰也氏
インフィニオン C3事業本部 テクニカルマーケティング部 シニアディレクター 浦川辰也氏

 インフィニオン C3事業本部 テクニカルマーケティング部 シニアディレクター 浦川辰也氏は「2026年以降はAIサーバラック1台当たり250kW超の電力供給が必要だ。ラック自体の構成を変え、より効率的に電力を使うことが求められるようになる」とする。

 ここでは、PSUは1相から3相のシステムに移行し、PSUとBBUをパワーサイドラックとして、ITトレイとは別にまとめるようになる見込みだ。パワーサイドラックからの出力電圧も従来の50Vから400Vあるいは800Vに大幅に上がることになる。

今後のサーバラックのアーキテクチャの進化
今後のサーバラックのアーキテクチャの進化[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ

 この構成の実現に向け、Infineonはパワー半導体の開発を進めている。PSUも大電力化の傾向にあり、現在は3kWが主流だが、1相/3相の12kWに対応する製品の準備を進めているという。パワー半導体単体での提供に加え、リファレンスデザインとしてPSU全体も手掛ける。

PSUの進化
PSUの進化[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ

 「Infineonは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)のどれにも対応していることが特徴だ。高速スイッチングにはGaN、高耐圧にはSiCというように、これらの材料の利点を組み合わせてPSUの性能を上げている」(浦川氏)

 BBUも大電力化の傾向があり、バッテリーが増加している。しかし全体のサイズは定められているので、DC-DCコンバーターやバッテリーマネジメントシステムを小型化する必要がある。Infineonは特許取得済みの独自の回路トポロジーで高密度化を図っていて、将来的にはGaNの適用を目指しているという。BBUについてもパワー半導体単体での提供とリファレンスデザインとしての提供をどちらも行っている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る