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「ニコン初」後工程向け露光装置の概要を公開 L/S 1μmで50パネル/時:600mm角基板対応(2/2 ページ)
ニコンが2025年7月、同社初の半導体後工程向け露光装置である「DSP-100」の受注を開始した。L/S(ライン/スペース)1.0μmという高解像度かつ1時間当たり50パネルという高生産性を両立、さらに600mm角の大型基板に対応したデジタル露光装置で、拡大が見込まれる先進パッケージング向けの需要にこたえる。2026年度中に市場に投入する予定だ
600mm角の大型基板に対応で対ウエハー比「9倍の生産性」
デジタル露光装置のDSP-100は、フォトマスクを使わず、回路パターンを表示したSLM(空間光変調器)に光源からの光を照射し、投影レンズを用いて基板に転写する。このため、一般的な露光装置のようなフォトマスクサイズの制約を受けることなく、大型の先進パッケージングに対応できる。さらに、フォトマスクを作成する必要が無いため、顧客の開発/製造におけるコストやリードタイムの抑制にも寄与するとしている。フォトマスクを使わない露光装置は、ダイレクト露光装置、マスクレス露光装置とも呼ばれている。
DSP-100は、600×600mmの大型角型基板に対応していて、角型基板では100mm角大型パッケージに対して300mmウエハー比で9倍の生産性を実現するという。さらに、先進パッケージングで重要となる基板の反りや変形に対しても、高精度で補正するという。なお対応基板についてニコンは「ウエハーおよび、さらに大型の基板へも対応可」とも説明している。
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