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Groqがフィンランドにデータセンター立ち上げ 拡大する欧州AI市場を狙う25年以降もキャパシティー拡張(1/2 ページ)

フランスのパリで2025年7月に開催されたAIイベント「RAISE Summit」では、AIクラウドサービスプロバイダー各社が、欧州で拡大するAI顧客基盤に対応するための計画について説明した。Groqは、欧州およびその他の地域の「GroqCloud」の顧客向けに、欧州では初のデータセンターを発表している。

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 フランスのパリで2025年7月に開催されたAIイベント「RAISE Summit」では、AIクラウドサービスプロバイダー各社が、欧州で拡大するAI顧客基盤に対応するための計画について説明した。

Groqはフィンランドでデータセンター立ち上げへ

 Groqは、欧州およびその他の地域の「GroqCloud」の顧客向けに、欧州では初のデータセンターを発表している。

 同社は「2025年7月、フィンランドのヘルシンキにあるEquinixの施設に、新しいGroqCloudクラスタを立ち上げる予定だ。これによって欧州の顧客は、自社データを欧州域内に保持するという選択肢を得て、欧州の顧客に低遅延のトークンを提供できる」と述べた。

Equinixの施設内のGroqラック
Equinixの施設内のGroqラック[クリックで拡大] 出所:Groq

 GroqのField CTO(Field Chief Technology Officer)であるChris Stephens氏は、米EE Timesの取材に応じ、「欧州域内外の新規および既存のGroqCloud顧客や、Equinixのエンタープライズ顧客などが対象だ」と述べた。

 Stephens氏は、「GroqとEquinixの連携によって、物理的/論理的に分離されたGroqインスタンスを、既存のデータセンターフットプリントにそのままミラーリングできる。既に他のコンピューティングインフラを稼働させている場所に、Groqを効率的にオンプレミス導入できるということだ」と述べる。

 同氏によると、顧客ワークロードを複数サイトにわたって実行できるようにするEquinixのオーケストレーションレイヤー「EquinixFabric」に、現在ではGroqハードウェアのオプションも含まれているという。

 「顧客が自社独自のフットプリントを複数サイトに分散させている場合、Groqはそのファブリックを介して、他のGroq/Equinixの施設と接続したり、そのようなサイト全体に分散している可能性がある独自のインフラフットプリントの他の部分と接続したりできる」(Stephens氏)

 Groqは「GroqCloudの欧州への拡大は、米国(Equinix/DataBankが運営)やカナダ(Bell Canada)、サウジアラビア(Humain)の既存のキャパシティーを土台としていて、その総容量は2000万トークン/秒を超える。Humainでは、1万9000個のGroqチップが大規模導入されていて、2025年以降さらに大幅に拡大していく予定だ」と述べる。

 Stephens氏は「GroqCloud向けのモデルは、選択されたモデルにAPIを介してトークンを提供するので、開発者が独自モデルに縛られずに迅速に対応できる」と述べている。

「Groqの野望は、Groqをあらゆる場所に拡大し、誰もがどこででも利用できるようにすることだ。それは、GroqCloudの拡張や、Groqが運営するソブリンクラウドとして登場することになるだろう」(Stephens氏)

 GroqCloudは2025年7月時点で、開発者の登録数が約180万人に達している。

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