スマートグラス市場、25年上期は110%増 Metaが圧倒的シェア:AIスマートグラスが78%占める
カウンターポイントリサーチはスマートグラスの世界市場(出荷台数)を調査、2025年上半期は前年同期に比べ110%増加した。こうした中でMetaは、Ray-Ban Metaスマートグラスの需要が堅調に推移したこともあり、同期間で73%の市場シェアを獲得した。
Metaの市場シェアは73%に上昇、今後は中小規模企業も新モデルを投入
カウンターポイントリサーチは2025年8月、スマートグラスの世界市場(出荷台数)を調査、2025年上半期は前年同期に比べ110%増加したと発表した。こうした中でMetaは、Ray-Ban Metaスマートグラスの需要が堅調に推移したこともあり、同期間で73%の市場シェアを獲得した。
同社は、スマートグラスの世界市場が2025年上半期に急増した要因として、Ray-Ban Metaスマートグラスが堅調に推移したことと、XiaomiやTCL-RayNeoなど新規参入した企業の製品が需要をけん引したと分析する。
また、「ベーシックなスマートグラス」に代わって、「AIスマートグラス」への移行も進んだ。AIスマートグラスのセグメントだけで伸長率を見れば、250%以上の成長になったという。スマートグラス市場におけるAIスマートグラスの構成比も、2024年上半期の46%に対し、2025年上半期は78%へと32ポイントも上昇した。
2025年後半以降は、MetaやAlibabaといった大手企業を始め、複数の中小規模企業などからもAIスマートグラスの新モデルが市場投入されると予想される。このため、2026年以降もスマートグラス市場は急成長を続けるとみている。
なお、プロセッサ業界ではQualcommが、プレミアムスマートグラス用SoCのアップグレード版として「AR 1+GEN 1」を発表した。Qualcommによれば、従来品に比べ形状は26%小さくなり、消費電力も7%削減した。このため、よりスリムな製品設計と電池の使用時間を長くできるという。中国のチップセットメーカーでもスマートグラス向けに低価格SoCを投入している。
こうした業界の動きを背景に、スマートグラス市場は2024年から2029年にかけて60%以上の年平均成長率(CAGR)で成長すると予測した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
世界半導体製造装置市場、2026年は過去最高に
SEMIによれば、2025年の半導体製造装置(新品)市場は、前年比7.4%増の1255億米ドルに達する見通しとなった。AI用半導体デバイスの需要拡大などにより、半導体製造装置市場は続伸。2026年の売上高も過去最高の1381億米ドルになると予測した。TDKが米SoftEyeを買収 「視線でAIとコミュニケーション」も
TDKは2025年6月19日、米国に拠点を置くシステムソリューション企業であるSoftEyeを買収したと発表した。スマートグラスへのAI導入やAIエコシステムの強化を目指す。4K映像をスマートグラスで! 従来比10倍高速なレーザー制御デバイス
TDKは、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)薄膜を用いたスマートグラス用可視光フルカラーレーザー制御デバイス「Active-PIC by LN(Active Photo Integrated Circuit by LiNbO3)」を発表した。従来比で10倍高速にレーザーを制御できるため、4K(2160p)の高解像度映像にも対応できるという。ディスプレイデバイス市場、29年に18兆4974億円へ
ディスプレイデバイスの市場規模は、2023年の15兆6126億円に対し、2029年は18兆4974億円に達する見通しである。富士キメラ総研は、ディスプレイデバイスと関連部材の世界市場を調査し、2029年までの市場予測を発表した。センサー/関連製品、2029年は約12兆円規模へ
センサーデバイスと関連製品の世界市場(33品目)は、2023年見込みの8兆6237億円に対し、2029年は12兆1860億円と予測した。自動運転車やスマートグラスやヘッドマウントディスプレイといったXR機器などが市場の拡大をけん引する。富士キメラ総研が調査した。