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体積を80%削減、表面実装型650V SiC MOSFET:東芝D&Sが量産開始
東芝デバイス&ストレージは、表面実装パッケージ「TOLL」を採用した650V耐圧の炭化ケイ素(SiC)MOSFETとして3製品を製品化し、量産を始めた。スイッチング電源や太陽光発電用インバーターなどの用途に向ける。
既存製品に比べターンオン損失を約55%低減した製品も
東芝デバイス&ストレージは2025年8月、表面実装パッケージ「TOLL」を採用した650V耐圧の炭化ケイ素(SiC)MOSFETとして3製品を製品化し、量産を始めた。スイッチング電源や太陽光発電用インバーターなどの用途に向ける。
同社にとって第3世代となるSiC MOSFETチップを搭載した新製品は、「TW027U65C」「TW048U65C」「TW083U65C」の3製品。外形寸法は9.9×11.68×2.3mmで、TO-247など従来のリード挿入型パッケージ品に比べ、体積を80%以上も削減した。寄生インピーダンスも小さく、スイッチング損失を低減できるという。
また、4端子タイプのためゲートドライブ用信号ソース端子をケルビン接続すれば、パッケージ内部にあるソースワイヤーが持つインダクタンスの影響を小さくでき、高速なスイッチングが可能となる。例えば、TW048U65Cだと既存製品に比べターンオン損失を約55%、ターンオフ損失を約25%もそれぞれ低減できる。
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