DRAM市場でSK hynixが首位独走、Samsung引き離す 25年Q2:市場シェア38.7%に
台湾の市場調査会社TrendForceによると、2025年第2四半期(4〜6月)の世界DRAM売上高は前四半期比17.1%増の316億3000万米ドルになった。ランキングではSK hynixが前四半期に続き首位となり、2位のSamsung Electronics(以下、Samsung)との差を広げた。
台湾の市場調査会社TrendForceは2025年9月2日(台湾時間)、2025年第2四半期(4〜6月)の世界DRAM売上高の最新調査結果を発表した。それによると同市場は前四半期比17.1%増の316億3400万米ドルになった。この成長は、従来型DRAMの契約価格の上昇および出荷量の増加と、広帯域幅メモリ(HBM)の供給拡大によるものだという。ランキングではSK hynixが前四半期に続き首位となり、2位のSamsung Electronics(以下、Samsung)との差を広げた。
TrendForceによると2025年第2四半期は、PCメーカーやスマートフォンメーカー、クラウドサービスプロバイダーからの調達勢いが強まったことでDRAMサプライヤーの在庫消化が加速。ほとんどの製品の契約価格が上昇に転じたという。
SK hynixはビット出荷量が目標を上回ったが、低価格帯のDDR4の出荷比率が高まったことでASP(平均販売価格)の伸びは抑制された。それでも売上高は前四半期比25.8%増の122億2900万米ドルと大きく伸び、市場シェアは同2.7ポイント増の38.7%に拡大しリードを広げた。
前四半期にSK hynixに抜かれ2位となったSamsungは、ASPおよびビット出荷量が共に小幅に増加し、売上高は前四半期比13.7%増の103億5000万米ドルになったものの、シェアは同1.0ポイント減の32.7%に低下した。3位のMicron Technologyはビット出荷量は急増したもののDDR4出荷比率の上昇からASPの伸び悩みに直面。売上高は同5.7%増の69億5000万米ドルと小幅の伸びにとどまり、シェアは同2.3ポイント減の22.0%に低下した。
2025年第2四半期のDRAM市場では、上位3社による先進プロセスへの生産シフトに伴って満たされなかった需要をカバーする形で、台湾メーカーも堅調な成長を見せている。4位のNanya Technologyは、PCメーカーやコンシューマー向け顧客からの旺盛な在庫補充に支えられて出荷量が急増。ASP低下はあったものの、売上高は前四半期比56.0%増の3億4100万米ドルに達した。5位のWinbondも出荷量が顕著に増加したほか、安定したASPが売上高をけん引し、同24.9%増の1億8300万ドルを記録した。
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