スピントロニクスでAI時代の電力問題に挑む TDKが最先端技術を紹介:新タグラインも好評(1/2 ページ)
TDKは2025年9月1日、経営計画に関する説明会「TDK Investor Day 2025」を開催した。人材戦略の解説に加え、研究中の最先端技術として「ニューロモルフィックデバイス」「スピンフォトディテクター」が紹介された。
TDKは2025年9月1日、同社の経営計画に関する説明会「TDK Investor Day 2025」を開催した。「未財務資本を通じた企業価値向上に向けて」というテーマのもと、同社の人材戦略および、研究中の最先端技術について解説した。
「社会をベターにし続ける」新タグラインを発表
TDKは2024年のInvestor Dayにて、社会のトランスフォーメーションに貢献し、TDK自身もトランスフォームし続けるという2つの意味が込められた長期ビジョン「TDK Transformation」を策定している。そこで掲げられたコミットメントのうち、未財務資本の強化について解説された。
冒頭でTDKのCEOである齋藤昇氏が、同社のブランドアイデンティティーをトランスフォームし、「In Everything, Better」を新たなタグラインとすることを発表した。
齋藤氏は「TDKの製品は人々の生活を支えるあらゆるものに組み込まれているため、社会にインパクトを与えるイノベーションや、進化のドライバーとして、社会をベターにし続ける存在でありたい。新たなブランドアイデンティティーは、長期ビジョンを活性化させるドライバーになると考えている」と意気込みを表明した。
続いて最高人事責任者(CHRO)兼人材本部長のAndreas Keller氏が登壇し、人材戦略について述べた。グローバルマネジメント育成プログラムやM&Aの実施などもあり、2017年と比較すると、TDKグループにおける女性リーダーの割合は10%から46%に、外国人の割合は10%から74%にと、多様性のある組織体制に変わっているという。
Keller氏によれば、こうした変革を下支えしているのが「役職に上下はあっても役目に上下はない」という考え方のもと、全社員が平等に意見を出し合える独自の企業文化「機能対等」だという。2024年に設立された、AI技術と複数のセンサーをエッジ側で融合させたプラットフォームの開発などを行う新会社「TDK SensEI」も、機能対等の風土によって、組織の垣根を超えた意見が集まり発展しているとする。
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