まるでAppleチップの「展示会場」 iPhone Airを分解:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(97)(2/3 ページ)
今回はApple「iPhone Air」「iPhone 17」シリーズを分解する。主要チップはほとんどApple製を使用している。過去3世代の「Pro」プロセッサを比較した結果なども報告する。【訂正あり】
Samsungのスリムスマホとの比較
表1は、2025年5月に発売されたSamsungの薄型スリムスマホ「Galaxy S25 Edge」とApple iPhone Airの一応の比較である。一応と言ったのは詳細をあげるとキリがないからだ(両製品とも有償レポートは発行済み)。Galaxy S25 Edgeが5.8mm、iPhone Airが5.6mm。厚さの差は0.2mm。実際にはほぼ変わらない。内部の構成も非常に似通っている。基板はともに2層構造。一番の違いはカメラ数で、Galaxy S25はDual、iPhone AirはSingleだ。カメラ部はともに薄さの数字として扱われていない。
iPhone 17 Proや無印iPhone 17の主要チップ
図3はiPhone Airと同時に発売された「iPhone 17 Pro」の様子である。こちらは従来の路線を踏襲し“正当に進化”している。前世代とほぼ同じTriple Camera。一番大きな変化点は、電池とプロセッサ部を覆うように放熱用のVapor Chamberが組み込まれたことだろう。Androidスマートフォンでは2020年以降一般的なVapor Chamberだが、iPhoneでは初めての採用となっている。放熱効果はAppleからもアピールされている。
5GモデムがQualcomm製になったiPhone 17 Pro
図4はiPhone 17 Proの主要チップの様子である。iPhone Airは通信チップのほぼ全て(NFCやワイヤレス給電チップ除く)がApple製であったが、iPhone 17 Proでは5GモデムがQualcomm製となった。
表2は前モデルの「iPhone 16 Pro」とiPhone 17 Proの主要チップ比較である。前モデルでも5GモデムはQualcomm製であったことから、サプライヤーの変更はないものの、チップ自体はSDX71MからSDX80Mとグレードアップしたものに変更されている。トランシーバーも同時に変更されている。
図5はiPhone Air、iPhone 17 Proと同時発売の無印 iPhone 17の様子である。カメラがDual、電池形状がバー型になっているなど、AirやProと比べて内部も大きく異なるものになっている。今回報告の3機種でまったく同じ部品は、配線経路が異なっているが、Face Cameraユニットだけであった。3機種ともに内部は別々に最適化設計されているわけだ。Air/ProがA19 Proプロセッサ搭載に対し、無印 iPhone 17は、 A19と別プロセッサとなっている。5Gモデムは無印 iPhone 17は、iPhone 17 Proと同じQualcomm製だ。
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