ディスコはAI関連が依然好調、上期の過去最高を更新:前期の反動で出荷額は減少(2/2 ページ)
ディスコは2025年10月29日、2025年度第2四半期の決算を発表した。前年同期比で増収増益の結果で、2025年度上期で見ると、売上高は1945億円と、上期として過去最高の結果を記録したという。
来期は「出荷額が1000億円台に回復」見込み
ディスコは、顧客の投資意欲が短期間で激しく変動し、需要予測が困難なことから、業績予想の開示は1四半期先までにしている。今回開示した2025年度第3四半期(10月〜12月)の業績予想では、売上高は前年同期比で10億円減の926億円、営業利益は同63億円減の328億円、純利益は同74億円減の244億円を見込む。その一方、生成AI関連を中心に引き続き堅調な出荷が予想されることから、出荷額予想は1016億円と、再び1000億円台になる見込みだとした。
2025年度下期(2025年10月〜2026年3月)の需要動向について「生成AI関連は、基本的に根強い需要が続くと考えている」と説明。広帯域メモリ(HBM)を見ると「2025年度第1四半期の決算時に述べた『メーカーによって投資意欲にばらつきがある状況』は依然変わらない」としつつ、「これまで先行して投資が行われていた分、少し勢いが落ち着く可能性があるが、投資が終わるわけではない。HBM4、その先のHBM4Eと性能が上がる中で、随時投資が発生するのだろう」とした。
生成AI関連以外の分野では「ウエハーメーカー向けの装置など、IC向け以外の分野で出荷増の動きが見られる。第3四半期は顕著に影響が出てくるのではないか」という。さらに中長期的な動きとして「アドバンスドパッケージ向けでは、いろいろな案件で研究開発が進んでいる。車載向けも、EVシフトが依然厳しい状況ではあるが、サイクル的にはそろそろ回復タイミングを図る状況かと考えている。引き続き注視していきたい」と語った。
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