ディスコが広島県呉市に精密加工ツールの新工場、生成AI需要などに向け:26年2月着工、28年4月竣工
ディスコは2025年4月17日、広島県呉市に精密加工ツール生産の新工場を建築することを明かした。第1期は2026年2月1日に着工、2028年4月30日に竣工予定。建築費用は330億円と見積もる。
ディスコは2025年4月17日、広島県呉市に精密加工ツール生産の新工場を建築することを明かした。広島県呉市から25億円で取得した呉市総合スポーツセンター(同市郷原町)に、新工場となる「郷原工場」を建築。今後3期に分けて建築する予定で、第1期は2026年2月1日に着工、2028年4月30日に竣工予定。第1期の建築費用は330億円と見積もる。
2025年4月17日に開催した取締役会で、新工場建築を決議した。同社はその目的として、生成AIや次世代通信技術のさらなる普及、自動運転技術の進展、カーボンニュートラルへのニーズなどによって、中長期的な半導体/電子部品市場の拡大が見込まれることから、「半導体/電子部品の製造に用いられる弊社の精密加工ツールの需要も継続的に増加することが想定されるため、生産能力の拡大が求められている」と説明している。
また、現在、広島事業所の呉工場および桑畑工場、長野事業所の茅野工場で行っている精密加工ツールの生産のうち、呉工場と桑畑工場の精密加工ツール生産機能を順次、郷原工場に移設/集約していく予定といい、「これにより生産効率を高めると共に、高潮リスクのある呉工場から生産移転することで、BCM(Business Continuity Management/事業継続管理)対応力も高めていく」としている。
第2期以降の工事については、「市況を鑑みながら、適宜判断していく予定」としている。
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