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サムスン電機と住友化学グループ、ガラスコア製造の合弁会社設立へ韓国で27年以降に量産開始

Samsung Electronics子会社Samsung Electro-Mechanicsと住友化学グループが、次世代パッケージ基板の鍵となる素材「ガラスコア」を製造する合弁会社(JV)設立に向けた覚書(MOU)を締結した。合弁会社は韓国に設置され、量産は2027年以降に開始される予定だ。

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 Samsung Electronics子会社Samsung Electro-Mechanics(サムスン電機:以下、SEM)は2025年11月5日、住友化学グループと次世代パッケージ基板の鍵となる素材「ガラスコア」を製造する合弁会社(JV)設立に向けた覚書(MOU)を締結したと発表した。

 MOUの締結式は東京で行われ、SEM社長のChang Duckhyun氏や住友化学会長の岩田圭一氏、同社社長の水戸信彰氏および、同社の韓国子会社Dongwoo Fine-Chem(以下、Dongwoo)社長であるLee Jongchan氏ら主要幹部が出席した。

MOU締結式で握手する住友化学会長の岩田圭一氏(左)とSEM社長のChang Duckhyun氏
出所:Samsung Electro-Mechanics

 SEMは、今回の合弁会社設立に関するMOUについて、AIや高性能コンピューティング(HPC)の急速な発展に伴い、パッケージ基板技術の限界を克服するための戦略の一環だと説明している。ガラスコアは次世代半導体パッケージ基板の中核材料であり、従来の有機基板に比べて熱膨張係数が低く、平たん性に優れることから、高密度/大面積の先端半導体パッケージ基板を実現するために不可欠な技術として期待されている。

 SEMは「今回のMOUを通じて、SEM、住友化学、Dongwooはそれぞれの技術力とグローバルネットワークを生かし、ガラスコアの製造/供給能力を確立し、市場拡大を加速させる」としている。

 この合弁会社ではSEMが筆頭株主として過半数の株式を保有し、住友化学グループは少数株主として参画する。両社は株主構成、事業スケジュール、社名などの詳細を詰め、2026年中に本契約を締結する方針だ。合弁会社の本社は、Dongwooの平沢事業所に設置され、ガラスコアの初期生産拠点となるという。

 なお、SEMは現在、韓国・世宗工場のパイロットラインでガラスパッケージ基板の試作品を生産していて、合弁会社による量産は2027年以降に開始される予定だ。

 SEMのDuckhyun氏は「AI時代の到来に伴い、超高性能半導体パッケージ基板の需要は拡大を続けている。ガラスコアは将来の基板市場を再構築する、重要な材料となるだろう。今回の合意は、3社の先進的な技術を結集し、次世代半導体パッケージ市場における新たな成長エンジンを確立する機会になる」などと述べている。

 住友化学の岩田氏は「SEMとの協業によって、先端半導体後工程分野において大きなシナジー効果が期待できる。本プロジェクトを通じて、両社の長期的なパートナーシップをさらに強化していく」とコメントしている。またDongwooのJongchan氏は「SEMとDongwooの技術力を融合し、先端半導体パッケージ材料分野をリードする機会を得られたことは大変意義深い。住友化学が培ってきた技術を基盤に、当社の強力な実行力とインフラを積極的に活用し、この協業を成功に導き、先端半導体パッケージ材料のリーディングカンパニーへと成長させていく」と語っている。

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