加速するヒューマノイドロボット開発に求められる技術とは? TIが語る:EdgeTech+ 2025(2/3 ページ)
Texas Instrumentsの日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは「EdgeTech+ 2025」(2025年11月19〜21日、パシフィコ横浜)にて、「先進的半導体技術が切り拓くヒューマノイドロボットの未来」と題した基調講演に登壇。大きな変化を遂げてきたロボティクス技術のこれまでと現在、そしてヒューマノイドロボティクスの発展に向けて必要とされる技術、TIが提供するソリューションについて取り上げた。
ヒューマノイドロボットを支えるTIのテクノロジー
同氏は、こうした課題を踏まえてTIのソリューションを紹介した。
コンピューティングで重要になる技術はリアルタイム性と性能を両立するエッジAIだ。TIのプロセッサ「TDA4」は、AI処理を主に担う部分と別にMCUアイランドを搭載し、堅牢な機能安全を実現しているという。また、先進運転支援システム(ADAS)用途で培った認識/制御技術が応用されている。「単なる技術転用ではなく、実世界での膨大なデータと実績があるということだ。『人間の近くで安全に動作する』という点で、ヒューマノイドロボットと自動車の課題は近しいものがある」(初山氏)
モータ制御部には、二足歩行のために極めて高精度なリアルタイム制御が求められる。初山氏は「TIは1980年代に世界で初めてDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を製品化した、リアルタイム処理のパイオニアだ」と述べる。TIのリアルタイム制御向けマイコン「C2000」はそれを受け継ぐ製品で、高速処理によってヒューマノイドロボットで「反射神経」のような機能を実現できるという。
パワーステージで最大の課題となるのは発熱だ。ヒートシンクや冷却ファンを搭載し、どうしても重く/大きくなりやすい。これに対してTIは低損失で発熱が少ない窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の開発を進めている。「ヒートシンクやファンを劇的に小型化するか、あるいは取り除くこともできる。バッテリーもちにも貢献する」(初山氏)
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