18nm FD-SOI採用のSTM32が登場 Starlinkシステムに搭載へ:高度な産業用途向け、26年から提供(1/2 ページ)
STマイクロエレクトロニクスは、マイコン製品群「STM32」の新製品として「STM32V8シリーズ」を発表した。同社の最先端プロセスである18nm 完全空乏型シリコンオンインシュレーター(FD-SOI)プロセス技術を採用し、相変化メモリ(PCM)を内蔵したハイエンド製品で、要求の厳しい産業用途に適する。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は2025年11月20日、マイコン製品群「STM32」の新製品として「STM32V8シリーズ」を発表した。同社の最先端プロセスである18nm 完全空乏型シリコンオンインシュレーター(FD-SOI)プロセス技術を採用し、相変化メモリ(PCM)を内蔵したハイエンド製品で、要求の厳しい産業用途に適する。STは「今後10年のイノベーションの基盤となる製品だ」としている。
メモリ密度は2.5倍、最大動作周波数は800MHz
STマイクロエレクトロニクス アジア パシフィック地区 バイスプレジデント マイクロコントローラ・デジタルIC・RF製品グループのパオロ・オテリ氏は、STM32V8シリーズの開発背景について「IoTの拡大の中で、開発者はより大きい計算能力、より高度なセキュリティを求めている。ソフトウェアも複雑化し、より効率的なメモリシステムが必要になってきている」と説明。同製品について「ハイエンドマイコン『STM32H7シリーズ』の自然な進化系」だといい、「これからの10年のさらなるイノベーションの基盤になるものだ」と述べた。
同製品の大きな特徴は、Samsung Foundryと共同で開発したという18nm FD-SOIプロセス技術とPCMだ。これによって電力効率が高まるほか、過酷な動作環境においても高い信頼性を実現している。また、4MBの不揮発性メモリを内蔵し、メモリ密度は従来の40nmプロセス比で2.5倍に向上する。PCMは、STの28nmプロセス車載用マイコンにも既に搭載されている。
STM32V8シリーズのCPUコアは、「Arm Cortex-M85」を採用。STM32H7シリーズに搭載した「Arm Cortex-M7」と比べてCoreMarkスコアが約1.7倍の5000にまで向上した。スカラー/DSP/機械学習性能も大幅に向上したという。Cortex-M85コアと18nmプロセス技術によって、最大動作周波数800MHzを実現している。セキュリティも強化し、PSA レベル3とSESIP レベル3に対応する予定だ。
さらに、ジャンクション温度は−40〜+140℃に対応している。オテリ氏は「−40℃に対応した製品は以前から存在するが、+140℃に対応するのは特に20nm未満のプロセスでは難しいことだ。これが重要な差別化要素になる」と説明する。
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