まるで「アメーバ」 多様な工法を組み合わせるチップレット実装受託サービス:少量対応も可能(1/2 ページ)
コネクテックジャパンは2025年10月、チップレット実装受託開発/製造サービス「CADN(Chiplet Ameba Development Network/キャダン)」を開始した。多様な工法が必要になるチップレット実装に対し、300社を超えるパートナー企業の技術も活用することで、少量生産でも受託できる体制を整えた。
半導体やセンサー、MEMSなどの実装受託開発サービスを手掛けるコネクテックジャパンは2025年10月、チップレット実装受託開発/製造サービス「CADN(Chiplet Ameba Development Network/キャダン)」を開始した。同社は2025年11月27日に都内で記者説明会を開催し、サービスの詳細を語った。
2009年11月に設立し、ことしで創立16年目を迎えた同社は、主要サービスとして「OSRDA(Outsourced Semiconductor Research Development & Assembly)」を手掛ける。導電ペーストの低温実装技術、Cu(銅)ピラー/はんだバンプ接合技術など、低温から高温までの接合技術を生かした半導体実装受託開発、製造サービスだ。「1個の試作から量産まで、あらゆる実装開発の要望に対応すること」(同社)を強みとする。
OSRDAでは、国内に300社以上あるパートナー企業の技術を駆使して、受託開発と製造を行う。コネクテックジャパンは、いわば“コーディネーター”的な役割も担っていて、パートナー各社の技術を組み合わせ、顧客の要望に沿う形で実装(接合)技術を開発、製造して提供している。
OSRDAの受託実績は順調に伸びていて、2024年度(単年)の案件数は396件(新規、継続両方を含む)に上った。中でも増えているのがチップレット集積関連で、現在は全体の36%を占めるという。こうした状況を受け、2024年には、チップレット集積に欠かせないTSV(貫通ビア)/RDL(再配線層)の受託開発/実装サービスも開始した。
コネクテックジャパン 代表取締役会長の平田勝則氏は「サービスへの反響は大きく、多くの引き合いがある」と語る。さらに、引き合いを受ける中で、課題も見えてきた。「半導体の開発は何年もかかるが、実装受託開発したものは、2〜3年後には必ず市場に投入される。つまり、2〜3年後の未来が見えるということだ。TSV/RDLの受託サービスを手掛ける中で、チップレット集積についても少し先の未来と課題が見えてきた」(平田氏)
チップレット集積の2つの課題
課題の一つが、大手OSATは、基本的には量産でなければ引き受けてくれないことだ。TSV/RDLやチップレット集積を採用したい場合、まずは数個、数十個単位で試作し、検証することから始める。数十万個、数百万個という単位で量産することは、ほぼない。平田氏は、少量開発/少量生産の受け皿が存在しないと指摘する。「これでは“ネクストNVIDIA”とも呼ぶべき、イノベーションを実現できるスタートアップが出てこられない」(平田氏)
もう一つの課題が、チップレット集積では、多種多様なパッケージ構造や工法への対応が必要になることだ。「顧客が求めるチップレット実装は、光電融合デバイス、センサー、パワーエレクトロニスなど案件ごとに異なる上に、TSVやRDLの有無、ベース基板や層間膜の種類、配線層数、配線材料の種類など千差万別だ。これを大手OSATが対応するのは難しい」と平田氏は述べる。
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