Micronの四半期業績、営業利益が7年振りに過去最高を更新:福田昭のストレージ通信(302)(1/2 ページ)
Micron Technologyの2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の四半期業績を紹介する。売上高は3四半期連続で過去最高を更新した。
売上高は3四半期連続で過去最高を更新中
半導体メモリの大手メーカーであるMicron Technology(以降はMicronと表記)は2025年12月17日(米国時間)に、2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の四半期業績を発表した。同社の会計年度は9月を期初、8月を期末としている。標準的な会計年度の四半期と比べ、期末月が1カ月早い。このため、半導体メモリ大手の業績を予測する先行指標としての意味合いを有する。
2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高は前四半期比(前期比)20.6%増、前年同期比56.7%増の136億4300万米ドルである。四半期の売上高は、3四半期続けて過去最高を更新した。
2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の営業利益はGAAPベースが前四半期比67.9%増、前年同期比では2.8倍の61億3600万米ドル、Non-GAAPベースが前四半期比62.3%増、前年同期比では2.68倍の64億1900万米ドルとなった。GAAPベースの営業利益は過去最高を更新した。それまでの最高額は、2018会計年度第4四半期(2018年6月〜8月期)の43億7700万米ドルだった。
2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の四半期業績概要[クリックで拡大] 出所:Micron Technology(2025年12月17日(米国時間)に公表された連結決算概要のプレスリリースから)
2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高営業利益率はGAAPベースが45.0%、Non-GAAPベースが47.0%である。それぞれ前期(前四半期)から12.7ポイント増、12.0ポイント増と大きく上昇した。
四半期業績(GAAPベース)の推移(売上高と営業損益、売上高営業利益率、2016会計年度第1四半期〜2026会計年度第1四半期)。Micron Technologyによる過去の公表値を筆者がまとめたもの[クリックで拡大]
「クラウド向け」と「モバイルおよびクライアント向け」の事業部門が引き続き好調
次は事業部門(Business Unit)別の売上高を見ていこう。なおMicronは2025年4月17日(米国時間)に、事業部門の再編成を発表した。2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の決算は、再編成後では2回目の業績発表となる。
2025会計年度第3四半期までの事業部門は、「CNBU(Compute and Networking BU)」(コンピューティングとネットワーキング)、「MBU(Mobile BU)」(モバイル)、「SBU(Storage BU)」(ストレージ)、「EBU(Embedded BU)」(組み込み)の4つで構成されていた。同年度第4四半期以降も、事業部門の数は4つで変わらない。
再編成後の事業部門は、「CMBU(Cloud Memory Business Unit)」(クラウドメモリ)、「CDBU(Core Data Center Business Unit)」(コアデータセンター)、「MCBU(Mobile and Client Business Unit)」(モバイルとクライアント)、「AEBU(Automotive and Embedded Business Unit)」(自動車と組み込み)である。
CMBUは、大規模ハイパースケールクラウド向けのメモリソリューションとデータセンター向けのHBM(high bandwidth memory)を扱う。2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高は前四半期(前期)比16%増、前年同期比100%増の52億8400万米ドルである。
CDBUは、OEMデータセンター向けメモリソリューションと、全てのデータセンター向けストレージソリューションを扱う。2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高は前四半期(前期)比51%増、前年同期比2%増の23億7900万米ドルである。
MCBUは、モバイルとクライアント向けのメモリソリューションとストレージソリューションを扱う。2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高は前四半期(前期)比13%増、前年同期比63%増の42億5500万米ドルである。
AEBUは自動車と産業、民生向けのメモリソリューションとストレージソリューションを扱う。2026会計年度第1四半期(2025年9月〜2025年11月期)の売上高は前四半期(前期)比20%増、前年同期比49%増の17億2000万米ドルである。
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