検索
ニュース

松尾研が見るAIの今と未来 投資はフィジカルAIに集中、データ収集が鍵に「人間の役割が再定義される」(1/2 ページ)

松尾研究所 副社長の金剛洙氏は「SEMICON Japan 2025」内のセミナープログラム「AI最前線」に登壇。現在のAIモデルのトレンドや、AIエージェント、フィジカルAIといった今後の活用方法について語った。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 松尾研究所 副社長の金剛洙氏は「SEMICON Japan 2025」(2025年12月17〜19日、東京ビッグサイト)内のセミナープログラム「AI最前線」に登壇。現在のAIモデルのトレンドや、AIエージェント、フィジカルAIといった今後の活用方法について語った。

AIの現在地 DeepSeekなどオープンモデルが急速に発展

松尾研究所 副社長の金剛洙氏
松尾研究所 副社長の金剛洙氏

 松尾研究所は、東京大学 工学系研究科でAIの研究を行う松尾・岩澤研究室に伴走し、研究室での基礎研究の社会実装を目指す企業だ。

 金氏は「AIは日進月歩で、進化が急速だ。AIの進化によるさまざまな影響が出始めたのが2025年だった」と語る。2025年11月にはGoogleの最新AIモデル「Gemini 3.0」が公開され、これを用いたAIエージェントも高精度で動作するようになった。

 こうした影響で、エンジニアの仕事がAIに置き換えられる動きが起きている。特に米国ではそれが顕著で、トップ大学でコンピュータサイエンスを専攻した学生でも就職が難しい場合も出てきているという。他に、カスタマーサポートなどの仕事もAIが担う場合が増えてきている。

 AIによる動画生成のレベルも上がっている。OpenAIが2025年9月に公開したモデル「Sora 2」では、音声や口の動きも含めて自然な動画を生成できる。

 一方で、既存のアニメキャラクターなどを無許可で学習させて動画生成に利用するなど、著作権関係の問題も深刻化している。こうした問題に対しては、法的措置などで対抗していく考え方と、金銭の支払いなどの仕組みを整備して共存していく考え方がある。金氏は「日本ではまだ方向性が定まっていないが、今後どちらかに振れていくことになるだろう」とした。

 AIモデルの進化に関しては、オープンモデルの性能が上がっていることも最近の傾向だ。AIモデルにはコードや重みが公開されていて誰でもカスタムできるオープンモデルと、内部仕様が非公開でベンダーが管理しているクローズドモデルがあり、これまではクローズドモデルの方が性能が高かった。しかし、2025年には両者の差が顕著に縮まったという。

 2025年1月に中国のAI企業DeepSeekが公開したオープンモデル「DeepSeek-R1」がその例だ。東京大学の入学試験で出題された数学の問題を解かせると、7分ほどの思考時間で正解したという。金氏は「東京大学に合格する人でも数学の正答率は3割程度で、1問に30分〜1時間ほどかけるものだ。それをこのスピードで解けるモデルが、オープンモデルで、かつ中国から登場したというのは驚きだ。ほとんど全ての人間を超える学力を有していることは疑いようがない」と語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る