デートコード「2年ルール」は古い? 半導体進化に応じたトレーサビリティを(前編):半導体製品のライフサイクルに関する考察(10)(2/3 ページ)
半導体の安全性と信頼性に大きく関わる半導体。そのトレーサビリティは、半導体の性能の進化に応じて、実情に見合う内容にアップデートされるべきものだ。今回は、半導体トレーサビリティの現状と課題、そして、半導体トレーサビリティがサプライチェーンのレジリエンス向上にどう影響するのかを3回にわたって解説する。
トレーサビリティはなぜ重要なのか
サプライチェーンのレジリエンスに向けたトレーサビリティは、製品がオリジナルの製品の仕様を満たしていることを保証し、そのライフサイクル全体で認証できるよう、包括的で透明性のある保管管理記録の連鎖を維持することで実現される。これにより、製品のライフサイクルの各段階における透明性が提供され、サプライチェーンのレジリエンスが強化される。
- 長いライフサイクルのために不可欠:航空宇宙産業や医療機器など、製品のライフサイクルが25年以上にわたる業界では、半導体製品のトレーサビリティが信頼性と安全性を確保するために重要である
- 偽造防止:偽造半導体は深刻な性能不良を引き起こし、電子機器産業に毎年数十億米ドルの損失をもたらす可能性がある。トレーサビリティは、そうした偽造半導体の脅威に対抗する
- 製造中止品管理:トレーサビリティシステムは、互換性のある代替品の特定や、製造中止となった半導体製品在庫の特定を可能にすることで、製造中止品の管理をサポートする
- 欠陥対応:効果的なトレーサビリティにより、リコール時に欠陥のある製品を迅速に特定・隔離でき、財務的および企業イメージへのダメージを最小限に抑えられる
- 規制順守:航空宇宙産業や医療機器などの分野では、製品が厳格な品質基準を満たしていることを保証するために、トレーサビリティが規制によって義務付けられており、安全性にとって非常に重要である
半導体業界では偽造品が依然として重大なリスクであり、航空宇宙、防衛、医療など安全性が重要な分野に影響する。トレーサビリティは、製品が正規の供給元から改ざんなく流通していることを確認するため不可欠だ。AS6496は流通業者に完全な保管記録を義務付け、真正性を保証するが、グレーマーケットでは文書不足によりリスクが高まる。AS5553は偽造品対策に重点を置き、文書・検査・テストの重要性を強調してAS6496を補完している。
業界は品質・信頼性・効率性のバランスを取るため、トレーサビリティ標準を進化させてきた。従来の「2年間デートコード」ルールは材料やプロセスが未成熟だった時代の慣行だが、封止材料、保管環境、トレーサビリティシステムの進歩により、現在では製品は2年を大きく超えてもその機能を維持できるようになっている。しかし、従来の慣行や商業的圧力により、技術的根拠のない制約(例:2年間ルール)が依然として存在している。
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