検索
特集

RISC-Vが自動車やHPCに本格進出 中国の「技術的自立」にも貢献アカデミアから産業界へ(2/3 ページ)

アカデミアで生まれたRISC-Vは現在、AIや高性能コンピューティング(HPC)、自動車をターゲットにする産業用命令セットアーキテクチャへと進化している。特に中国やインドが技術主権の確立に向けた政府支援を背景に導入を加速している一方、欧州では投資の分散と技術者不足によってビジネス化が課題に直面している。

Share
Tweet
LINE
Hatena

導入ではアジアが先行 中国は技術的自立に王手

 RISC-V導入に関する技術計画は世界中で進められているが、実際の導入が最速で進んでいるのはアジアだ。アジアでは、技術的自立を目指す政府方針がRISC-Vの普及を加速させている。中国では、RISC-Vは欧米の輸出規制やライセンス制限を回避するための重要な手段となっている。

Teresa Cervero氏
Teresa Cervero氏

 RISC-Vのアンバサダーで、Barcelona Supercomputing Center(BSC)のシニアリサーチエンジニアを務めるTeresa Cervero氏は、中国の野心の大きさを目の当たりにしたという。Cervero氏は上海で開催されたRISC-Vサミットの後、「中国はRISC-Vの進化に参加しているだけではない。その革命の重要な役割を担うことを目指している」と指摘し、「中国政府は自立を目指すよう指令し、その結果、地方および国家レベルで政府の支援が深く浸透した」と付け加えた。

 政府の支援は実質的な進展をもたらした。Alibaba Groupは2025年、大規模なAIタスク向けプロセッサを発表した。これは、中国においてNVIDIAと競合する製品となっている。中国企業は、国内のサプライチェーン強化に向けて、独自のEDAツールも構築している。

 Cervero氏は、中国のEDAベンダーであるUnivistaのような有力企業の台頭を例に挙げて、中国のエコシステムの「圧倒的な規模と揺るぎない決意」を指摘した。Cervero氏はサミット後に「私の見解では、中国は技術的自立の達成に非常に近づいている」と述べている。

 インドもまた、セキュリティと現地生産に重点を置き、自国の技術に対するコントロールを強化している。インドのファブレス半導体企業であるAheesa Digital Innovationsは最近、インド初となるブロードバンド市場向けRISC-VネットワークSoC(System on Chip)のテープアウトを完了した。

 こうした動きは、重要インフラから「ブラックボックス」要素を排除するのに役立つ。開発に関する報道で述べられているように、インドで開発されたコアを選択することは極めて重要である。「コアがインド製であれば、セキュリティが既に確保されていることが分かる」からだ。

 Gallo氏はこうしたセキュリティへの注力を認識し、「ネットワークはセキュリティが全てだ」と語った。これを支援するため、RISC-V Internationalはスーパーバイザードメインの分離に関するノートを公開している。この技術は機密コンピューティングを可能にし、RISC-Vを自国のニーズに合わせて活用しようとする各国の目標に合致している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る