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量子コンピュータ向け波長302nm紫外レーザー光源、オキサイドが出荷:Rydberg状態を生成
オキサイドは、量子コンピュータに向けて波長302nmの紫外レーザー光源を販売、初号機の出荷を完了した。Yb原子を用いる中性原子型量子コンピュータにおいて、Rydberg(リュードベリ)状態を生成させるための光源となる。
半導体で培った技術を量子コンピュータ分野にも応用展開
オキサイドは2026年3月、量子コンピュータに向けて波長302nmの紫外レーザー光源を販売、初号機の出荷を完了したと発表した。イッテルビウム(Yb)原子を用いる中性原子型量子コンピュータにおいて、Rydberg(リュードベリ)状態(原子が非常に高いエネルギー準位に励起された状態)を生成させるための光源となる。
量子コンピュータの方式としてこれまでは、「超伝導方式」が先行してきた。ここにきて、エラー耐性や拡張性に優れた「中性原子方式」や「イオントラップ方式」が注目されている。これらの方式では、中性原子やイオンを量子ビットとして用い、「冷却」「捕捉」「量子ゲート操作」「読み出し」といった複数のプロセスを組み合わせて量子演算を行う。
量子演算を行う工程では、原子種やプロセスに応じて異なる波長や性能を備えた複数のレーザー光源が必要となる。しかも、高い性能と長期にわたる信頼性を両立させなければならない。こうした中でオキサイドは、半導体前工程に用いるウエハー欠陥検査装置向けに供給している深紫外レーザーの実績を生かし、量子コンピュータ分野にも応用展開していくことにした。
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![波長302nm紫外レーザー光源の外観[クリックで拡大] 出所:オキサイド](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2603/11/tm_260311oxide01.jpg)