もはや半導体メーカーの域を超えた NVIDIA最新エッジ機器を分解:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(101)(1/4 ページ)
今回は、NVIDIAが2025年後半に発売した最新レファレンスキット「JETSON AGX Thor」と、手のひらサイズのコンピュータ「DGX Spark」を分解する。自社で最終製品のほぼ完成形といえるキットを提供するNVIDIAは、半導体メーカーというカテゴリーを完全に抜け出している。
半導体メーカーの枠を抜け出したNVIDIA
この原稿を書いている2026年3月現在、NVIDIAは米国で「NVIDIA GTC 2026」を開催している。毎回NVIDIAの発表には度肝を抜かれるがGTCには触れない。今回は前回告知のように2025年後半にNVIDIAから発売されたエッジ系の最新機器およびチップについて言及したい。
NVIDIAは半導体メーカーというカテゴリーを完全に抜け出している。自社で最終製品のほぼ完成形といえる「JETSON」というレファレンスキットを発売し、ロボットや車載先進運転支援システム(ADAS)のひな型を提供する。今回は2025年3Qに日本国内でも発売した最新の「JETSON AGX Thor」と、2025年4Q国内発売の手の平サイズのコンピュータ 「DGX Spark」を取り上げたい。
JETSON AGX Thorを分解
図1は2025年3Q発売のレファレンスキットJETSON AGX Thorの様子である。NVIDIAの製品はいずれもデザイン性が高い。ミドルクラスのGPUグラフィックボート程度のサイズの筐体に収まっている。インタフェース端子は1辺に集中しており、光トランシーバーを接続するためのQSFP28スロットが1基設置されていることが大きな特徴だ。本製品では100Gbpsに対応する。外部カバーを取り外すと、内部は右上図のようにコンピュータ基板(2枚構成、1枚目はメインコンピュータ基板、2枚目は各種インタフェース基板)およびヒートシンク、空冷ファンで構成されている。
図2はメインのコンピュータ基板の様子である。片面はインタフェース、反対面にはThor プロセッサや電源系のパワーステージ、インダクターなどがびっしり並んでいる。メモリはトータルで128GB LPDDR5Xが搭載されており、8つのパッケージが基板の両面に4つずつ、プロセッサを取り囲むように設置されている。コンピュータ基板はメモリとプロセッサと電源だけ。正式な数字は記載しないが、Thorプロセッサは、4000個を超える端子ボールが備わっている。極めて並列性の高い高帯域構成であることがボール数からも明らかだ。もちろん電源強化での多ボール化も成されている。
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