NVIDIAとメモリ3社、世界半導体売上高の42%占める:Omdia最新調査
市場調査会社Omdiaによると、2025年の世界半導体市場は前年比23.3%増の8300億米ドル超になった。この42%をNVIDIAとメモリサプライヤーの計4社が占めるという。
市場調査会社Omdiaは2026年3月18日(英国時間)、最新の半導体市場調査結果を発表した。それによると2025年の世界半導体市場は前年比23.3%増の8300億米ドル超になった。Omdiaが半導体市場の追跡を開始した2001年以降、年間売上高が20%を超える成長を2年連続で達成したのは初だという。
市場拡大のけん引役は引き続きAI関連技術の需要で、この分野で先行する企業が業界成長に大きく寄与したという。ただ、Omdiaは「自動車、コンシューマー、産業の各セグメントが減少した2024年とは異なり、2025年は主要な半導体アプリケーションの全セグメントで売上高が増加した」とも説明している。
AI需要の影響、「DRAM市場全体に」
OmdiaのシニアプリンシパルアナリストであるLino Jeng氏は「AI主導の需要は、2024年にはまず広帯域メモリ(HBM)の価格を押し上げたが、その影響はDRAM市場全体へと広がっている」と言及。「AIサーバはHBMだけでなく、特にDDR5を中心に、より多くのシステムメモリを必要とする。同時に、サプライヤーはウエハー配分をHBMや高密度サーバ向けDRAMへとシフトしている。その結果、2023年の市場低迷からの回復に伴い、2025年には複数のDRAMセグメントで価格改善が進んだ」と説明している。
Omdiaによると、DRAMの売上高は2023年の市場底である500億米ドル強から2025年には1500億米ドル超へとほぼ3倍に増加。「前年比50%を超える成長率で最も成長の速い半導体コンポーネントとなった」という。
こうした2023年以降の半導体売上高の急増は、最大手企業への市場シェア集中も招いている。半導体市場全体の売上高は2023年から2025年にかけて約53%増加したが、その内訳をみると、上位10社の売上高が90%増加したのに対し、その他の市場の成長率は8%にとどまっているという。Omdiaは「成長はメモリサプライヤーとNVIDIAに集中していて、AI需要が半導体市場をいかに大きく変えているかを示している。これら4社を合計した市場シェアは、2023年の24%から2025年には42%へと拡大した」と説明している。
世界半導体市場ランキングトップ10は下図の通りで、1位のNVIDIAは前年比54.3%増と大きく成長し、2位との差を広げた。2位も前年同様Samsung Electronicsで、同14.2%増の売り上げ成長を見せた。これに続くのは前年から42.3%増の成長を見せたSK hynixで、同3.7%減となったIntelを抜いて3位にランクインした。4位に転落したIntelはトップ10のうち唯一のマイナス成長となっている。このほか、Micron Technologyが前年比56.3%増の急成長を見せ、前年から順位を2つ挙げて5位に入っている。
セグメント別では、データ処理セグメントが前年比40%超と最も高い売上高成長を記録した。また、2025年には他の半導体アプリケーションセグメントも全て拡大したという。
産業向け半導体市場は、2年連続の減少を経て2025年に成長へと回復。Omdiaは「パンデミック後の需要増による高成長の反動で、2023年および2024年には在庫調整が進み、産業向け半導体の売上高は大きく減少したが、2025年には回復し、前年比で6%超の成長となった」としている。
なお2026年の市場に関してOmdiaは「AI需要が2026年も継続し、市場が再び20%を超える成長を記録すれば、半導体の総売上高は初めて1兆米ドルを突破する可能性がある」と述べている。
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