エンジン直近で使えるソルダーレジストなど 太陽HDの最新材料技術:−55〜+150℃の2000サイクルでひび割れなし(1/2 ページ)
太陽ホールディングスはプレス向けセミナーを開催し、AIやデータセンター、自動運転などに用いられるプリント基板向けの先端材料技術を紹介した。同社はソルダーレジストに関して400件以上の特許を有し、車載向け信頼性規格「AEC-Q100」の最も厳しい区分であるグレード0への対応も進めている。
太陽ホールディングス(以下、太陽HD)は2026年3月、プレス向けセミナーを開催。AIやデータセンター、自動運転などに用いられるプリント基板向けの先端材料技術を紹介した。
世界シェア60%のソルダーレジストを支える製造技術
太陽HDはエレクトロニクス事業/医療事業/ICT&サステナビリティ事業を手掛けている。そのうち、エレクトロニクス事業は太陽インキ製造が担う。主力製品はプリント配線板の表面を覆って回路パターンを保護するソルダーレジストだ。富士キメラ総研の2024年の予測によると、プリント基板市場は2023年から2030年まで年平均6%の成長を見込んでいて、ソルダーレジスト市場における太陽HDの世界シェアは60%を超える。
ソルダーレジスト製造の鍵となるのは、配合技術、分散技術、塗工技術だ。配合技術は樹脂や顔料などさまざまな原材料の種類/比率を最適化し、新規機能性材料も加えることで、顧客が求める性能を実現する。分散技術は、配合原料を細かく均一に分散させる技術で、これによって微細な配線デザインにも対応できる。塗工技術はドライフィルムタイプのソルダーレジスト製造において、液状ソルダーレジストをキャリアフィルムに塗布し乾燥させる技術だ。これによって、1μmスケールでの膜厚管理を可能にしている。
太陽インキ製造 技術開発センター 絶縁材料開発部 PKG材料開発課 課長の岡本大地氏は「配合においては、新規機能性材料を材料メーカーと共同で新しく開発することもある。高度な塗工技術が特に求められるのはシビアな膜厚コントロールが求められる半導体パッケージ基板だ」と説明する。太陽HDはソルダーレジストに関する特許を400件以上保有しているという。
エンジン直近で使用できるソルダーレジストを開発
こうした太陽HDの技術を生かしたソルダーレジストの一例が、車載半導体パッケージ基板向けドライフィルムソルダーレジストだ。故障が人命にかかわる問題となる車載パッケージ基板には、スマートフォンやPCなどに用いる汎用パッケージ基板と比べても特に高い信頼性が求められる。使用温度は汎用品がおよそ0〜85℃であるのに対して車載品では−40〜+150℃など幅広い。使用環境も車内やエンジンルームなどで、温度変動や振動が大きい。車載向け信頼性規格「AEC-Q100」への対応も求められる。
太陽インキ製造は、AEC-Q100の中でも最も厳しい区分で、エンジン直近などの高温環境に適用される「グレード0」に準拠したソルダーレジストを開発し、現在サンプルを提供している。同製品では、−55〜+150℃の2000サイクルの温度サイクル試験後に、ショートの原因となるひび割れゼロを達成したという。岡本氏は同製品について「樹脂メーカーと共同で、何度もトライアンドエラーを繰り返しながら耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を作り上げた。その樹脂を採用したソルダーレジストだ」と説明する。
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