データセンター用CPUでも勢力伸ばすRISC-V:SiFiveが4億ドル調達(1/2 ページ)
組み込み機器でじわじわとシェアを伸ばしているRISC-V CPUは、データセンター市場でも成長が見込まれている。
SiFiveは2026年4月9日、応募超過となったシリーズGの資金調達ラウンドにおいて、4億米ドルを獲得したことを発表した。これにより、同社の高性能データセンターロードマップを加速させていくという。今回のラウンドを主導したAtreides Managementは、最近ではPositronやMythic、Cerebrasなどに投資を行っている他、過去にはAxiadoやAstera Labs、Enfabricaなどにも資金を投じている。SiFiveは今回のラウンドにより、これまでの合計資金調達額が約9億7000万米ドルに達し、資金調達後の企業価値は36億5000万米ドルになったという。これは、同社が2022年にシリーズFラウンドで1億7500万米ドルを調達した時の企業価値25億米ドルと比べて大きく伸びている。
今回の最新の資金調達により、エージェンティックAIワークロードに対する膨大な需要と、それに伴い、Armが2週間ほど前に詳細を明かしたように、CPUの需要も増大しているという事実が浮き彫りになった。SiFiveの事業開発/販売部門担当シニアバイスプレジデントを務めるJack Kang氏は、米国EE Timesへの文書による回答の中で、「メディアでも広く報じられているように、データセンター顧客は、エージェンティックAIの計算需要が過度に急増している状況に直面している。SiFiveは、将来的にデータセンターにおいて、x86やArm、RISC-Vなどの各種ISAが導入されることを期待している。SiFiveを活用してRISC-Vを加速し、ワークロード向けに最適化されたIP(Intellectual Property)の重要なメリットを得られるようになるという期待が、応募超過だった今回の資金調達ラウンドの重要なけん引要素となっている。われわれが大きな成功を収めていく上で、競合他社が“敗北”する必要はない」と述べている。
Kang氏は、誰も敗北する必要はない」と語っているが、SiFiveのチェアマン兼CEOであるPatrick Little氏は、同じ日の正式発表で「RISC-Vは、データセンター顧客の差別化を実現することが可能な、唯一のアーキテクチャだ」と述べている。同氏は事前に準備した声明の中で「ハイパースケーラーは、今こそデータセンター向けにオープンスタンダードの代替手法の利用を加速させるべき時だということを明示した。彼らが一貫して要求してきたのは、カスタマイズ可能なCPUソリューションをIP形式で実現することであり、それによって自社データセンターの計算ソリューションを有意義に差別化できるようにすることだ。RISC-Vは、このような要望に応えられる唯一のアーキテクチャである。業界がエージェント型AIへと急激に進んでいく中、SiFiveはデータセンターへの注力を強化している。われわれはデータセンター顧客との協業により、エージェント型AIの膨大なチャンスの大部分を獲得することが可能な、独自の立ち位置にある」と述べる。
エージェンティックAIモデルにおけるRISC-V CPUの利点
SiFiveはさらに、システムレベルの複雑なオーケストレーションタスクにおける、CPUの重要性について説明する。これは、GPUやAIアクセラレーターでは効率的に対応できるよう設計されていない。同社は「AIがさらに複雑なエージェンティックAIモデルへと進化していくに伴い、既存のパワーエンベロープの範囲内で計算能力を拡大するためには、CPUの効率的な性能が重要になる。SiFiveは、大量の電力を消費する複雑なレガシーアーキテクチャを、本質的に低消費電力な最新のRISC-V CPUで置き換えることで、このような移行を実現する。RISC-Vは、スカラー計算やベクトル計算、行列計算などを標準ベースの単一インタフェースに統合しているため、顧客企業は迅速に拡大し、AIイノベーションのスピードに合わせてハードウェア開発を大きく加速させることができる」と述べている。
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