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625MHz対応の次世代差動発振器、AIサーバなど向け:水晶振動子Arkhシリーズを内蔵
大真空は、独自の水晶振動子「Arkh」を内蔵し、出力周波数625MHzに対応する差動発振器「Arkh.2G」を開発、サンプル出荷を始めた。データセンターのAIサーバや、光トランシーバーなどのDSP用クロック、車載用高速通信といった用途に向ける。
二重パッケージ構造により長期的に安定した性能を実現
大真空は2026年4月、独自の水晶振動子「Arkh」を内蔵し、出力周波数625MHzに対応する差動発振器「Arkh.2G」を開発、サンプル出荷を始めた。データセンターのAIサーバや、光トランシーバーなどのDSP用クロック、車載用高速通信といった用途に向ける。
312.5MHzや625MHzといった高周波対応の差動発振器はこれまで、歩留まりが悪く製造コストの増大や、供給面で安定性に欠けるなど課題があった。新製品は、独自のArkh振動子とウエハーレベルでの全数検査および保証(KGD)技術を駆使することで、「高周波対応」と「高い歩留まり」を両立させた。
Arkh.2Gは、基本波で625MHzまでの高周波に対応し、低位相ジッタを実現した。また、外部応力やアウトガスから水晶振動子を保護する二重パッケージ構造を採用。これにより、長期的に高い周波数精度を維持することができ、安定したシステム稼働が可能となる。
Arkh振動子は仕様を標準化して在庫を確保。発振器としての組み立てプロセスも簡素化することで、安定した供給体制を確立した。既に625MHz品のサンプル供給を始めている。出力周波数が156.25MHz/312.5MHz品については2026年7月より量産を始める予定。
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![従来品とArkh.2Gのパッケージ構造[クリックで拡大] 出所:大真空](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2604/21/tm_260421daisinku02.jpg)
![Arkh.2Gの主な仕様[クリックで拡大] 出所:大真空](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2604/21/tm_260421daisinku03.jpg)