「ディスプレイ1本では経営厳しい」 起死回生図るJDIの戦略:27年度の黒字化目指す(1/2 ページ)
2026年度通期決算では営業損失が198億円となったジャパンディスプレイ(JDI)。2027年度の営業黒字化を目指し、ディスプレイ事業の高収益化と他事業の立ち上げを図っている。JDIが決算説明会で語った「BEYOND DISPLAY」戦略の進捗状況を紹介する。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2026年5月14日、2025年度通期の決算説明会を開催した。売上高は前年比29.6%減の1323億円で、営業損失は同184億円改善し187億円だった。純損失は同584億円改善し198億円だった。
JDIは2026年3月末の時点で74億円の債務超過状態となっていて、2027年3月末に債務超過を解消できなければ、東京証券取引所の上場維持基準に抵触し、上場廃止となる可能性がある。説明会に登壇したJDI CEOの明間純氏は「上場維持基準への抵触を必ず阻止するつもりだ」と語った。
債務超過や赤字脱却に向けてJDIは、生産を終了した工場の売却や人員整理などの構造改革を進めている。説明会ではこれに加えて、黒字化と持続的な成長に向けた「BEYOND DISPLAY」戦略の進捗状況についても語った。JDIは2027年度の営業黒字化を目標としている。
地政学リスクで車載ディスプレイの引き合い増加
BEYOND DISPLAY戦略は、ディスプレイ事業の高収益化と、センサー/半導体パッケージング材料といった非ディスプレイ事業の育成で持続可能な成長を図るものだ。
ディスプレイ事業においては、地政学リスクの高まりを背景に、安定供給や品質が重視される車載用途製品の引き合いが強くなっているという。顧客が特定国に依存したサプライチェーンにリスクを感じているためだ。これを受けてJDIは、従来はデジタルカメラ用ディスプレイなど民生機器向け製品を中心に製造してきた製造子会社のNanox Philippinesで、車載ディスプレイの生産準備を開始した。2027年からの量産を目指す。
デジタルミラー用ディスプレイでは、「視認性やデザイン性の高さ、品質が高く評価され、新車種への投入とシェア拡大が続いている」(明間氏)とした。また、見る角度によって異なる2つの映像を表示できる新商材「2 Vision Display(2VD)」は、特に中国顧客のハイエンド向けでの関心が高く、「早期の車両搭載に向けた協議が進行している」(明間氏)という。
民生/産業機器用途製品では、LEDディスプレイ用の基板供給ビジネスが本格化している。ミニLED向けの薄膜フレキシブル車載用低温ポリシリコン(LTPS)基板やマイクロLED向けの透明ガラスLTPS基板の受注が続いているといい、明間氏は「第4.5世代の石川工場(石川県能美郡川北町)が強みを発揮できる領域だ」とした。
加えて、デジタルカメラ向けでも従来より明るく低消費電力な次世代ディスプレイ開発が進んでいる。産業用途では、インドの鉄道安全システム向けに制御パネル用ディスプレイの採用が決定したという。
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