AI半導体で「パネルは新たなフロンティア」、Lamの装置戦略:大型パネルに求められる技術とは(2/3 ページ)
AI向け半導体の大型化に伴い、先端パッケージングの主戦場は、従来の円形ウエハーから大型の矩形パネルへ移行している。こうした中でPanel-Level Packaging(PLP:パネルレベルパッケージング)技術を強化しているのが半導体製造装置大手Lam Researchだ。今回、Lamの担当者がPLP向け装置事業の詳細を語った。
ウエハー並みの高歩留まり/コストに向けた技術開発
Fellis氏は「半導体業界において常に重要視されるのは歩留まりとコストだ」と説明。PLP技術においてもウエハー同様の高い歩留まりの実現が求められているとし、大型パネル化に伴う反りや均一性制御などが大きな課題になるとした。
PLPでは矩形のパネル上に多数のパッケージを高密度に配置できるメリットがある反面、円形ウエハーと異なり、角部を含めた全面で均一な成膜やエッチング、洗浄を行う必要があり、プロセス制御の難易度が高まる。さらに、銅(Cu)や銀(Ag)、ニッケル(Ni)などの成膜応力、レジスト膜の積層応力によってはパネルが「ポテトチップ状」や「山型」のように変形する可能性もあるため、パネル平たん化の制御も重要になる。またFellis氏は「技術とコストは常にセットだ」と強調し、時間当たりの処理枚数向上および総製造コストの低減も求められるとした。
Lamはこうした課題に対し、まずチャンバー技術においては、垂直搬送型セルによる両面同時処理を行う「高速めっきシステム」を採用し、パネル全面で高い均一性と安定した電界形成を実現していると説明した。装置内部でパネルを垂直に吊り下げた状態で処理することで、金属膜形成や洗浄を両面同時に行う構造だ。
さらに、同社がウエハー向けで培ってきた「SABRE 3D」の技術をPLP装置へ展開することで、ウエハーレベル均一性やプロセス制御をパネルで再現するとした。Ellis氏は「全体的な歩留まりと効率性を向上するのに重要なのはウエハーレベルの均一性とプロセス制御の実現だ。特に、ハーフレンジで3%を大きく下回る優れた均一性の実現に重点を置いている」と語った。
このほか、AIや機械学習(ML)を活用した装置/プロセス開発も強化。シミュレーション技術によって実機製作前に、流体制御や構造最適化などを行うことで、パネル上でどのような結果が得られるかを事前予測する。これにより、ハードウェア設計の最適化や試作サイクル削減を図り、高歩留まり製品を迅速に開発できるようにするとしている。
装置のインテリジェンス化で歩留まり管理や予知保全
Lamは装置内に搭載した多数のセンサーから取得する流量、圧力、温度、薬液濃度などのデータを、ビッグデータ解析や機械学習によって監視/分析する装置のインテリジェンス化も強調。異常兆候検知や装置間ばらつき解析、スループット最適化などに活用し、歩留まり管理や予知保全につなげるという。また、「SEMulator3D」と呼ぶシミュレーション環境も活用。単一工程だけでなく、複数工程を統合した際の結果まで仮想的に解析するものでレシピ条件やプロセス条件を最適化し、最終パッケージ性能向上につなげるという。
このほか、メカトロニクス技術によって処理時にパネルを平たん化するシステムも開発。大型パネルを固定し、平たん化した状態で処理セルへ搬送することで、薬液の流れを均一に制御し電界分布を均一化。膜厚ばらつきや欠陥を低減する。また、薬液タンクから自動サンプリングを行い、化学分析装置へフィードバックする「ケミカルモニタリング」システムも導入。化学液組成や純度をリアルタイムで監視し、安定したパフォーマンスを維持する仕組みを構築しているという。
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