キオクシアが第10世代BiCS FLASHで332層を選んだ理由:「過度な高積層化には課題」(1/3 ページ)
キオクシアホールディングスのメモリ事業部長である井上敦史氏が、第10世代「BiCS FLASH」の開発状況や主要性能、技術的な狙いなどについて語った。
キオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)のメモリ事業部長である井上敦史氏が、第10世代「BiCS FLASH」の開発状況や主要性能、技術的な狙いなどについて語った。第10世代BiCS FLASHの1Tビット TLC製品は現在、開発の最終フェーズにあるといい、2026年夏頃にサンプル出荷予定だ。
26年度末にはNAND出荷量の8割が第8世代に
キオクシアHDが2026年6月2日に開催した投資家向け説明会「Investor Day」で、井上氏が語った。
同氏はまず、現行の主力製品である第8世代BiCS FLASHについて説明。第8世代では、メモリセルアレイを形成したウエハーと、CMOS回路を形成したウエハーを別々に加工し貼り合わせることで熱処理を最適化できる「CBA(CMOS directly Bonded to Array)」技術を採用。「業界最高水準」(同社)という性能や容量、電力効率を実現している。
また、第8世代品では業界に先駆けて32ダイ積層パッケージ技術も実用化。1パッケージ当たり8Tバイト(TB)を実現し、245TB SSD「LC9シリーズ」の実現にもつながっていることも強調した。
第8世代品は現在、多数のプロジェクト向けに量産を拡大していて、2026年度末には同社のNAND出荷量の約80%が第8世代品になる見込みだという。
大容量/高密度化の第10世代、AI推論市場向けに
キオクシアHDは、この第8世代BiCS FLASHをベースとし、AI時代のニーズに応えるため「大容量/高密度化」と「高性能化」の2軸戦略を進めている。この戦略は2025年6月の経営方針説明会でも説明したものだ。
大容量/高密度化においては、従来通り、高積層化と平面方向の縮小を組み合わせることで、高ビット密度/大容量化を進めた第10世代およびその先の第11世代品などを開発していく。これらは主にエンタープライズ/データセンターSSDの市場ニーズ応えるものになるとしている。一方、高性能化では、第9世代品やその先の第Y世代において、積層数を抑えたセル技術と最新CMOS技術を組み合わせることで高性能化を実現。主にAI搭載のPCやモバイル機器向け市場を狙う。
今回説明の中心となったのは、次世代のAI推論市場を主なターゲットとする第10世代BiCS FLASHだ。
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