PCBベースで微細化/高周波特性向上 パナソニックの新パッケージング技術:xPUへの対応も視野(1/2 ページ)
パナソニック インダストリーが、透明導電フィルム「FineX」で培った微細配線技術を半導体パッケージ向けに展開する。線幅2〜10μmの高精度な配線を形成できるだけでなく、既存のPCB製造技術やサプライチェーンを活用できることが特徴だ。
パナソニック インダストリーは、既存のPCB製造プロセスベースで微細化/高周波特性向上を実現する、半導体パッケージ向け微細配線技術を開発した。同技術は「JPCA Show 2026」(2026年6月10〜12日、東京ビッグサイト)で展示する。それに先立つ同年5月、同社は合同取材に応じ、新技術の特徴や利用イメージを説明した。
透明導電フィルムの製造技術を応用
今回開発した技術は、同社の透明導電フィルム「FineX(ファインクロス)」を応用したものだ。
FineXは透明フィルム基材に溝を形成し、そこに目に見えないほどの微細な配線をめっきで形成するもの。既に量産中で、視認性を損ねずに通電できるという利点を生かし、カメラのくもり止めヒーター、ディスプレイ上に設置できる透明アンテナなどの用途で提案してきた。
FineXは、同社独自のR2R(ロールtoロール)工法で製造している。ロール状のフィルムを巻き出し、金属のモールドを押し付けるようにして溝を形成して、溝にめっきで微細配線を形成するというものだ。この工法ではインプリントで正確かつ微細な配線を形成できるので回路の精度が高いほか、エッチングが不要なので表面が平滑になる。
パナソニック インダストリーで同技術の開発を担当した森田陽介氏は「FineXのこうした特性を半導体パッケージングにも生かせると考え、応用に向けた開発を始めた」と説明する。
高精度で高平滑な微細配線を実現
今回発表したのは、同じくR2R工法を用いた半導体パッケージ向け微細配線技術だ。溝を作ってめっきで微細配線を形成するという流れは同じだが、フィルム基材は透明である必要はなく、かつ寸法安定性や低反りが求められることから、金属フィルムを用いる。
従来はフィルム基材にそのまま溝を形成していたが、新技術ではフィルム上に耐熱性/高周波特性を重視した材料を重ね、そこに溝を形成する。その後、微細配線を形成するのは従来と同様だ。現時点で、配線寸法は2〜10μmに対応する。
同技術では高い寸法精度が実現する。溝を形成するためのモールドは一度作ればその後は高い再現性で転写できる。「一般的なPCBではエッチング工程があり、シード層を除去する際にどうしても線が細ってしまうが、この技術では寸法のばらつきがない」(森田氏)といい、繰り返し精度は±0.1μmだ。
平滑性も高く、算術平均粗さ(Ra)は0.007μm、最大高さ粗さ(Rz)は0.039μmだ。森田氏は「エッチングを伴う一般的なプロセスと比較して、1〜2桁改善する」と説明する。線幅が一定で平滑性が高いと、高周波伝送において重要となるインピーダンスが安定する。
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