カメラでも存在感放つ中国 Insta360/DJIの全天ドローンを分解:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(104)(3/4 ページ)
今回は中国カメラメーカーのInsta360、DJIが発売した最新の全天カメラ搭載ドローンなどを分解する。さまざまなメーカーが全天カメラを販売しているが、市場を見るとInsta360単独で60%以上、中国メーカーだけで95%以上のシェアを占めている。
Insta360競合のDJI、ドローンは強いが全天カメラで出遅れ
図5は2025年7月にDJIから発売されたDJI初の全天カメラ「Osmo 360」の様子である。DJIはシングルカメラのアクションカメラ、ジンバルカメラを発売していたが、2025年まで全天カメラはラインアップしていなかった。Osmo 360は先行するInsta360の競合機として発売され、瞬時に大ヒット製品となった。内部はドローン空撮で開発した自社プロセッサではなく、Qualcommの「QCS8550」が搭載されている。QCS8550はスマートフォンで多数採用されたSnapdragon 8 Gen2の通信など一部機能をオフにしたもの。高度な演算器と多数カメラ処理を行えるプロセッサだ。
図6はInsta360のAntigravity A1に約5カ月遅れで発売されたDJIの全天空撮FPVドローン「Avata 360」の様子である。DJIはFPVドローンを過去にも複数機種発売しており、FPVでは大きなシェアを有しているが、全天カメラでは出遅れた形となってしまっている。
ゴーグルは2種類販売されている。図6のゴーグルは外部ディスプレイの無い普及モデルだ。内部の画像処理プロセッサはDJI独自開発のもの。詳細仕様は公開されていないが、QualcommのSnapdragonと同等の処理を行うものとなっている。DJIが2024年に発売したシングルカメラのFPVドローン「Avata 2」と図5のOsmo 360を合体させてAvata 360が生まれたような構成となっている。
図7はAvata 360本体の様子である。上下にカメラが設置される全天カメラで、固定型ドローンの形状は前モデルAvata 2とほぼ同じものとなっている。当然ながら衝突、墜落回避のための高度なAPASセンサー機能も備わっており、初心者でも高度なFPVを味わうことができる。内部の処理系、フライト系プロセッサはDJIの他機種でも搭載されるDJI独自プロセッサだ。独自プロセッサの仕様は公開されていない。配線層を剥離したシリコン写真を見ることで形状から演算器の種別や個数は分かるが、今回ここでは報告しないものとする。
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