ルネサスが描く2035年 「AIがユーザーになる時代」の成長戦略:AIインフラ、フィジカルAI、エッジの3段階で(2/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは投資家向け説明会「Capital Market Day 2026」を開催した。ルネサス 社長兼CEOの柴田英利氏が、2035年を見据えた全社戦略について説明した。今後の成長ドライバーはAIインフラ、フィジカルAI/ソフトウェア定義車両(SDV)、エッジインテリジェンスの3段階だという。
6四半期連続で増収 事業基盤への投資も継続
ルネサス 最高財務責任者(CFO)の新開崇平氏は、財務面から2035年に向けた進捗とオペレーティングモデルを説明した。2025年通年の売上高は前年を下回ったものの、四半期ベースでは2024年第4四半期を底に、2025年第1四半期から6四半期連続で増収が続いているとした。2026年については、通年でも本格的な安定を見込むという。
中期的な収益性については、売上総利益率は55%前後でおおむね横ばい、営業利益率は25〜30%の範囲で拡大していくモデルを示した。新開氏は、事業基盤への投資は継続する一方、AIなどの技術活用による生産性向上や売上高の伸長によるオペレーティングレバレッジによって、コスト増を相殺する考えを示した。
また、事業基盤への投資については、2022年と2025年を比較して金額ベースで約1.5倍に増やしたという。投資対象には、共通IP(Intellectual Property)プラットフォーム/ソフトウェアへの開発投資、設計手法の改善、社内のITシステムやAIインフラへの投資、オフィス環境の改善などが含まれる。
第1の成長ドライバーはAIインフラ
今後の成長領域については「向こう数年、私たちの成長を圧倒的にドライブしてくれるのは、AIとITのインフラだろう」(柴田氏)とした。順調にいけば、今後3〜4年程度で全社売上高の4割程度をAIインフラ関連が占める見込みだという。柴田氏は、AIインフラ向けのソリューション提供を、AIの「Enablement(イネーブルメント)」と位置付けた。
AIインフラ市場については、これまでのGPU向け電源中心の構図から、よりヘテロジニアスな構成へと変化しているとの認識を示した。モデルの大規模化に伴い、レイテンシの低減や消費電力の最適化が重要になっていて、MPU関連デバイスや、ワークロードと電力消費を制御する「コントロールプレーン」の需要が高まっているという。柴田氏は、AIインフラ関連の半導体市場について、今後5年程度で約5倍に拡大するとの見方を示した。
この領域では、パワー製品、メモリインタフェース、制御を3つの成長の柱に据える。パワー製品は次世代データセンターに求められる高い電力密度と熱効率に対応し、メモリインタフェースは演算効率の最大化とデータボトルネック解消を支える。さらに、マイコンで培った制御技術を生かし、コントロールプレーンなどの機会を取り込む。
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