AppleとBroadcomの「300億ドル契約」、Intelにもチャンスか:半導体の「国内回帰」加速(2/2 ページ)
米国EE Timesが取材したアナリストによると、Appleが2026年7月に発表したBroadcomとの300億米ドル規模の契約は、Appleのデータセンター事業における成長とともに、米国のサプライチェーンの強化やIntelの新たなビジネスチャンスを意味しているという。
米国エコシステムの再構築
約3年前、Apple、TSMC、Amkor Technologyは、衰退しつつある米国の半導体エコシステムの再建を支援することを目的の1つとする製造アライアンスを結成した。2025年8月、AppleはAMPの創設と6000億米ドル規模の4年間の米国投資戦略を発表した。Appleは、最初のAMPパートナーとして、Corning、Coherent、GlobalWafers、Applied Materials、Texas Instruments、Samsung Electronics、GlobalFoundries、Amkor、Broadcomを迎えた。
「AppleとBroadcomの提携は、先進ロジックにばかり注目が集まる中で見過ごされがちな『フライオーバー技術』に焦点を当てるという点で、米国の製造業の国内回帰に寄与している」とHutcheson氏は述べている。
ただし、Appleが米国ベースの半導体供給チェーンを100%確立するには、まだ解消すべき課題が残っている。
2026年2月、AppleはTSMCのアリゾナ工場で生産する初の米国製チップを2026年中に1億個以上に増やすと発表した。しかし、この主張は部分的にしか正しくない。アリゾナでApple向けに製造されたシリコンウエハーは、先進のパッケージング工程のために台湾に輸送する必要があるからだ。
AIデータセンター事業の拡大でIntelにもメリット
International Business StrategiesのCEOを務めるHandel Jones氏は「Broadcomとの契約は、AppleのAIデータセンター事業の拡大につながり、Intelにとって新たなビジネスチャンスとなる可能性を示している」とEE Timesに語った。
Jones氏は「大規模な社内データセンターの容量を持つことは、Appleにとって将来的に重要になるだろう。Appleはデータセンター向けに独自チップを設計する計画で、Broadcomが開発を支援するとみられる。Appleのデータセンター設計には、Intelの『14A』プロセスが採用される可能性が高い」と述べている。
Intel 14Aは、同社の次世代クラスの1.4nmプロセスノードで、高性能コンピューティング、AI、モバイルアプリケーション向けのIntel Foundryのフラグシップ製品として位置付けられる。Reutersによると、AppleはTSMCの代替としてIntelを評価しているという。TSMCは、10年近くの間Appleの先進ノードチップの唯一のサプライヤーだったが、2026年4月に「AIチップの需要急増に対応できていない」と発表した。
BroadcomのSerDesチップにおけるリーダーシップは、Appleのデータセンター拡張にとって重要になるとJones氏は指摘した。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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