中国に見る高効率な開発戦略 最新ジンバルカメラを分解:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(106)(2/3 ページ)
今回は2026年に発売された、DJI/Insta360の最新ジンバルカメラを分解する。今やジンバル、アクションカメラ市場で2強としてしのぎを削る両社の製品からは、中国が強化している「マルチマーケット戦略」が見えてくる。
Osmo Pocket4/4Pを比較
表3は2026年に発売されたDJIのジンバルカメラ2機種、Osmo Pocket4とOsmo Pocket4Pの様子である。4月発売のOsmo Pocket4はワイドだけのシングルカメラ、6月発売のOsmo Pocket 4Pは望遠カメラを追加したデュアルカメラとなっている。多くの部品、構造は共通だ。
プロセッサはOsmo Pocket4が「QCA2541」、Osmo Pocket4Pが「QCA2551」と異なる型名だが、開封確認したところ同じシリコンだった。ジンバル用の3個のモーターと、駆動用のモータードライバーICも共通だ。シングルカメラ版とデュアルカメラ版は同時期に、共通仕様で開発されていたことは間違いない。
Insta360の新カメラ2製品の違いは?
図2は2026年8月に発売となった、Insta360の前後カメラ搭載のアクションカメラ「X6」の様子である。Insta360が「カメラAIプロセッサを搭載している」とアナウンスしている製品だ。前後のカメラのISP(Image Signal Processing)処理にAI処理を加えている。
表4はInsta360の6月発売のLuna Ultraと、8月発売のX6の主要プロセッサの様子である。ともに2基のカメラを有する製品だ。Luna Ultraはワイドと望遠カメラ、X6はウルトラワイドカメラ2基を搭載する。2機種ともにセンサーデータのISPおよびAI処理を同社カスタムプロセッサで行っており、センサーから直結されている。
2機種ともに、AI ISPチップで処理されたデータはQualcommの「QCS8625」に接続され、最終処理(画像合成など)が成されている。外観の異なる2機種だが内部は同じものだ。AI ISPチップの型名数字は異なっているが内部シリコンは同じ。メインプロセッサ、AIプロセッサを共通化することで開発効率を高めている。
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