DRAM/SSDの課題解決 キオクシアの最新フラッシュメモリ技術:FMS展示内容を紹介(1/2 ページ)
キオクシアは、半導体メモリとストレージに関するイベント「FMS: the Future of Memory and Storage」で紹介した技術のメディア向け説明会を開催し、AI時代のフラッシュメモリの課題や、それにこたえる製品展開について紹介した。
キオクシアは2026年9月3日、半導体メモリとストレージに関するイベント「FMS: the Future of Memory and Storage」(2026年8月4〜6日、米国カリフォルニア州サンタクララ)で紹介した技術についてのメディア向け説明会を開催した。同社メモリ事業部メモリ応用技術統括部の技術統括部長を務める松寺克樹氏は、AI時代のフラッシュメモリの課題や、それにこたえる製品展開について紹介した。
低遅延/高耐久フラッシュメモリでDRAMの一部を置き換え
AIの発展に伴い扱うデータ量も増え続けている中、エージェンティックAIの登場によりAI同士で高速かつ大量のデータ通信を行うようになるため、今後は爆発的なデータ量の増加が見込まれる。
そのためDRAMおよびフラッシュメモリの需要も大幅に増加していて、市場全体では、2026年時点でフラッシュメモリが約1200EB(エクサバイト)、DRAMが約50EBの容量規模になるという。AI用途などでDRAM需要が増えている一方、フラッシュメモリに比べるとDRAMは最大容量が小さく、実装できる容量が制限されることが課題になる。
一般的に、フラッシュメモリはDRAMと比べてレイテンシが長く、書き換え回数が少ないことから、メインメモリへのフラッシュメモリ採用は難しいと考えられる。しかし松寺氏によると「実際のアクセス頻度を確認すると、アクセスのうち80%は、データ全体のうち上位20%のものに集中している」という。
高価で容量の限られたDRAMを、あまりアクセスされない残り80%のデータに使うのは効率が悪い。しかし代わりとして従来のSSDを使った場合、読み出しの際にSSDからDRAMにデータを移す工程が必要なため、レイテンシが発生してシステム性能の劣化につながる。そこでキオクシアは「あまりアクセスされないデータを、DRAM同様にメモリアクセス可能な状態のフラッシュメモリに保存する」というアプローチを取る。
キオクシアが独自開発するフラッシュメモリ「XL-FLASH」は、リードレイテンシ5マイクロ秒以下、書き換え回数15万回以上を実現している。一方で書き込みや消去時は100マイクロ秒以上のレイテンシが発生するため、レイテンシ低減機能を搭載した専用のコントローラーを開発。これらを組み合わせて開発した「CXLメモリモジュール」は、従来方式に比べてレイテンシを90%以上改善できるという。
松寺氏は「シミュレーションの結果、DRAMのうち3分の1をCXLメモリモジュールに置き換えても、性能劣化は5%以下にとどまったため、容量はそのままコストを下げることができる。また同一コストでDRAMの一部をCXLメモリモジュールに置き換えた場合、容量2倍、性能1.3倍を実現できた」と述べる。同モジュールは近日中のサンプル出荷開始を予定する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.





