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データセンターの立地は都市から郊外へ、放熱は空冷から液冷へ(後編)福田昭のデバイス通信(524) 2026年度版実装技術ロードマップ(7)(1/2 ページ)

「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズ。今回は、前回に続き「2.2.1.2 データセンター」の概要を説明する。

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 (ご注意)今回は前編の続きです。まず前編を読まれることを強く推奨します。

「2.2.1.2 データセンター」の概要(後半部)を説明

 前編(前回)では、「2.2.1.2 データセンター」の概要(前半部分)を述べた。今回(後編)は、「2.2.1.2 データセンター」の概要(後半部分)をご説明する。

「2.2.1.2 データセンター」」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)
「2.2.1.2 データセンター」」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)

 前編の末尾で述べたように、高性能計算用データセンターにおける消費電力が急激に上昇しつつある。このことから、サーバルームやサーバラック、サーバ本体などにおける冷却・空調方式を変更して放熱能力を高める必要が出てきた。従来、サーバの放熱には「強制空冷」方式が使われてきた。空気を強制的に対流させて熱を逃がす方式である。

 今後は空気だけでなく、液体を利用して放熱能力を高めることになる。液体を利用する冷却方式には大別すると、「リアドア方式」「液冷方式」「液浸方式」がある。「リアドア方式」は「リアドア熱交換機(RDHx:Rear Door Heat Exchanger)方式」とも呼ばれる。サーバラックの扉(リアドア)に冷却用液体(通常は水)を循環させてサーバの熱(温風)を吸収し、温風を冷風に変換する。

液体を冷却に活用して放熱能力を高める

 「液冷方式」は、冷却液(通常は水)を循環させたプレート(「コールドプレート」とも呼ぶ)をサーバ内の発熱体(通常はGPUあるいはCPU)に接触させ、発熱体から伝導によって熱を奪う。「伝導水冷方式」とも呼ぶ。強制空冷方式との併用が前提となる。

液体を利用した冷却方式の例[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会
液体を利用した冷却方式の例[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会

 「液冷方式」よりも強力な放熱技術が「液浸冷却」だ。液浸とは「液体浸漬」の略語であり、文字通り、発熱体を液体に浸けて冷却する技術を指す。具体的には、CPUやGPU、メモリモジュールなどを搭載したプリント基板(ボード)を直接、冷却液(通常は不活性な液体)に浸ける。

液浸冷却における単相式と二相式の違い

 「液浸冷却」は、放熱原理の違いによって「単相式」と「二相式」に分かれる。ここで「相」とは、固相、液相、気相といった状態を意味する。

 「単相式」は、垂直に配置したプリント基板(ボード)の発熱を冷却液が吸収する。熱を吸収した冷却液は高温となるので対流によって上昇する。高温の冷却液を外部の熱交換器によって冷却し、低温になった冷却液をプリント基板(ボード)の下方から戻す。冷却液は液体(液相)のままなので単相式と呼ばれる。

液浸冷却方式の分類と仕組み[クリックで拡大]。出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会
液浸冷却方式の分類と仕組み[クリックで拡大]。出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会

 「二相式」は冷却液に不活性かつ沸点の低い液体を使う。冷却液は温度上昇によって沸点に達すると、液体から気体に変化するときに大量の熱(気化熱)を周囲から奪う。この相変化を利用してプリント基板(ボード)を冷やす。気化した冷却材料は、ボードの上部に配置した循環水によって冷やされ、液体に戻る。原理的には、単相式よりも二相式の冷却能力が高い。

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