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26年Q2の半導体世界ランキングから読み取る「本当の勝者」:湯之上隆のナノフォーカス(95)(2/4 ページ)

Semiconductor Intelligenceが2026年8月に発表した、世界半導体企業ランキング。筆者は、このランキングにTSMCや、急成長するメモリメーカーがいないことに強い違和感を覚えた。そこで、各社の決算資料を基にランキングを作り直してみたところ、ChatGPT登場から約4年で世界半導体産業の勢力図が根本から塗り替えられつつあるという、予想以上に劇的な光景が浮かび上がってきた。

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分水嶺となったChatGPTの登場

 図2は、筆者が作成した売上高トップ12の半導体メーカーの四半期売上高の推移を2015年から示したものである。2015年から2022年までは、各社ともメモリ市況などの景気循環による浮き沈みはあるものの、おおむね200億ドル前後までのレンジの中で推移していた。この時代の首位争いは、IntelとSamsungが演じていた。

図2 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期売上高(〜2026年5‐7月)
図2 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期売上高(〜2026年5‐7月)[クリックで拡大] 出所:各社の決算報告および一部筆者推計、各社のCYまたはFYの決算月の四半期売上高を記載した

 ところが2023年以降、様相が一変する。NVIDIAが猛烈な勢いで上昇を開始し、それをTSMCとBroadcomが追う。さらに2025年から2026年にかけて、Samsung、SK hynix、Micronのメモリ3社が垂直に近い角度で急上昇する。OpenAIがChatGPTを公開した2022年11月30日を境に、世界半導体産業の成長軌道が明らかに変わったことが読み取れる。

 もちろん、全ての因果をChatGPT一つに帰することはできないが、この日が生成AI普及の象徴的な転換点であったことは間違いない。そしてAI需要は、半導体産業に段階的に波及していった。第1段階はGPUのNVIDIA、第2段階はその製造を一手に担うファウンドリーのTSMC、第3段階はAI ASICやネットワーク半導体のBroadcom、第4段階は広帯域メモリ(HBM)のSK hynix、Samsung、Micron、そして第5段階として、AIデータセンター向け需要がDRAMとNAND全体の市況を押し上げ、キオクシアや米Sandiskを含むメモリ各社に波及した。冒頭のSIランキングでキオクシアが8位に浮上したのは、まさにこの第5段階の現象と言えよう。

対数軸にすると中国勢の「異常な伸び」が見える

 ただし、図2の線形軸のグラフでは、NVIDIAやSamsungの規模が巨大すぎて、CXMTとYMTCの動きはほとんど地面を這っているようにしか見えない。そこで、縦軸を対数にしたのが図3である。すると、景色が一変する。

図3 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期売上高(2026年5〜7月まで)
図3 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期売上高(〜2026年5-7月)[クリックで拡大] 出所:各社の決算報告および一部筆者推計、各社のCYまたはFYの決算月の四半期売上高を記載した

 筆者の推計では、CXMTとYMTCは2019〜2020年ごろには四半期売上高が1億ドルにも満たない規模だった。それが、対数軸上ではほぼ直線的な成長軌道を続け、2026年には両社とも100億ドルを超える水準まで駆け上がっている。対数軸のグラフで直線的に伸びるということは、毎年ほぼ一定率の指数関数的成長を続けてきたことを意味する。上位企業がレンジ内で波打つ中、この2社だけが異質な成長曲線を描いているのだ。

 この背景には、中国政府による巨額の半導体産業支援だけでなく、生成AIがもたらしたメモリ価格の高騰、中国国内の旺盛な需要、そして両社の生産能力拡大という3つの要因が重なったことが挙げられる。米国の厳しい対中半導体規制にもかかわらず、レガシー寄りのメモリ分野で中国勢が世界トップ10の一角に食い込んできた事実は、重く受け止めるべきだろう。

 それでは、ChatGPT登場直前の2022年と現在を直接比較すると、誰が本当に成長したのか?

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