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26年Q2の半導体世界ランキングから読み取る「本当の勝者」:湯之上隆のナノフォーカス(95)(3/4 ページ)

Semiconductor Intelligenceが2026年8月に発表した、世界半導体企業ランキング。筆者は、このランキングにTSMCや、急成長するメモリメーカーがいないことに強い違和感を覚えた。そこで、各社の決算資料を基にランキングを作り直してみたところ、ChatGPT登場から約4年で世界半導体産業の勢力図が根本から塗り替えられつつあるという、予想以上に劇的な光景が浮かび上がってきた。

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AI時代の「勝ち組」がくっきり分かれた

 図4は、主な半導体メーカー28社について、2022年5〜7月期に対する2026年5〜7月期の売上高倍率を大きい順に並べたグラフである。赤色が中国メモリ企業、黄色がAI半導体関連のFabless&Foundry、緑色がDRAM・NAND等のメモリ企業を示す。この図から、世界の半導体メーカーは4つの群に分かれることが分かる。

図4 主な半導体メーカーの2022年5〜7月期から2026年5〜7月期にかけての売上高倍率
図4 主な半導体メーカーの2022年5〜7月期から2026年5〜7月期にかけての売上高倍率[クリックで拡大] 出所:各社の決算報告および一部筆者推計、各社のCYまたはFYの決算月の四半期売上高から筆者計算

 第1群は、爆発的成長を遂げた中国メモリ企業である。CXMT(46.69倍)とYMTC(21.74倍)が、他を圧倒する伸びを示した。第2群は、AIの直接的勝者であるNVIDIA(14.35倍)、Broadcom(3.15倍)、TSMC(2.21倍)だ。第3群は、AI需要がメモリのスーパーサイクルに波及して恩恵を受けたSK hynix(4.82倍)、Micron(4.80倍)、台湾Nanya Technology(4.26倍)、キオクシア(3.93倍)、Samsung(3.76倍)、Sandisk(3.74倍)などのメモリ企業である。そして第4群が、AIの恩恵が相対的に小さいIntel(1.05倍)、米Texas Instruments(1.05倍)、MediaTek(0.91倍)、Qualcomm(0.91倍)、日本Renesas(0.90倍)、台湾UMC(0.90倍)、米GlobalFoundries(0.90倍)などである。スマホ、PC、車載、産業機器を主戦場とする企業は、軒並み横ばいか微減となっている。

 ここから、本稿の一つ目の結論が導かれる。ChatGPT前夜の2022年5〜7月期から爆発的AIブームとなった2026年5〜7月期にかけて、世界半導体企業は「全員が成長した」のではない。AIデータセンターにつながるAI半導体メーカーとメモリメーカーに成長が集中したのである。

売上高より凄まじい「利益の爆発」

 ところが、筆者が今回データを集計していて最も驚いたのは、売上高ではない。営業利益である。図5は、売上高トップ12の半導体メーカーの四半期営業利益の推移を示したものだ。

図5 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期営業利益(〜2026年5‐7月)
図5 売上高トップ12の半導体メーカーの四半期営業利益(〜2026年5‐7月)[クリックで拡大] 出所:各社の決算報告および一部筆者推計、各社のCYまたはFYの決算月の四半期営業利益を記載した

 2015年から2022年までは、各社の営業利益は100億ドル前後までのレンジで推移しており、メモリバブル期の2018年にSamsungが約130億ドルに達したのが最高だった。ところがChatGPT公開後、NVIDIAの営業利益が真っ先に急上昇し、2026年5〜7月期には637億ドルに達した。さらに2025年後半からはSamsung(660億ドル)、SK hynix(448億ドル)、Micron(333億ドル)が文字通り垂直に立ち上がっている。TSMCも243億ドルという高水準である。一つの企業の「四半期」営業利益が600億ドルを超えるという事態は、2022年以前の半導体産業の常識では考えられなかった。

 その一方で、Intelは2024年に大幅な赤字を経験し、2026年5〜7月期の営業利益はわずか18億ドルにとどまる。首位グループとの差は、実に30倍以上である。AIブームは半導体メーカーの売上高を増やしただけではない。利益の分配構造そのものを変えてしまったと言える。

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